【NQNニューヨーク=古江敦子】31日午後の米株式市場でダウ工業株30種平均が一段安となり、下げ幅は一時540ドルを超えた。新型肺炎の感染拡大で世界景気に悪影響が及ぶとの懸念が強まり、運用リスクを回避する目的の売りが幅広い銘柄に出ている。
31日は英国内で新型肺炎の感染者が初めて確認され、感染が急速に広がっている。一部の米企業では社員の中国渡航を禁じ、米国務省は30日に正式に中国への「渡航中止・退避勧告」を発表した。デルタ航空は31日、2月6日から4月末まですべての中国便の運航を見あわせると明らかにした。感染拡大による世界経済への悪影響に現実味が増してきた。
2月3日に中国本土(上海・深圳)市場が取引を再開する予定。新型肺炎の影響で休場明け後の中国株式相場が大幅に下落するとの警戒感が強い。中国株の急落による米株式相場の一段の下落を見越して、投機筋が事前に米株価指数先物を売る動きも出ているもようだ。
米債券市場では長期金利の指標である10年物国債利回りを短期金利である3カ月物利回りが上回る「逆イールド」が拡大。景気後退の前触れとされ、投資家心理を冷やしている




