米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が30日発表した7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は主要十都市ベースで前年同月比17.5%下落し、統計記録のある1987年以降で最大の値下がりとなった。下落は19カ月連続。
主要二十都市の下げ幅も16.3%と過去最大。前月比では主要十都市で1.1%、二十都市で0.9%の下落だった。前月比の下落率は5カ月ぶりに拡大した。昨年末から今年初めにかけての急落ぶりに比べると「下落ペースは緩やか」(S&P)だが、住宅価格の底が見えない状況が続いている。
都市別で下落率が最も大きかったのはラスベガスで前年同月比29.9%。次いでフェニックスが29.3%、マイアミが28.2%。前月比で価格が上昇した都市は6都市で、6月の9都市から減少した。アトランタ、ボストン、ダラス、デンバー、ミネアポリスでは底入れの兆しが見られた。
S&Pの指数委員会のブリッツアー委員長は声明で「全都市圏を通じて低下率に鈍化の兆しが見られるが、底入れの証拠はない」と述べた。
