TOPIX +1 @1,667
日経平均 +84円 @22,927円
FRBは市場の事前予想通り、政策金利であるFF金利を0.25%下げたが、声明文では、利下げを意味する「成長持続へ適切に行動する」とう文言が削除され、今年3回実施してきた「予防的な利下げ」を打ち止めることが示唆された。普通ならこれで株が売られるはずだが、FRBのパウエル議長がFOMC後の記者会見で、米景気に関して前向きな見方を示した。利下げ局面はこれでが終わるが、すぐに利上げに動くことはないと市場は安心し、米国株式相場は上昇した。これを受けて、日経平均も上げ、上げ幅は前場では一時100円を超えた。他方、日銀の金融政策決定会合では政策の現状維持を決めた。これも予想通り。追加金融緩和観測が後退して、銀行株が下げる場面もあた。
これまでの金融緩和により金利はほとんどタダと言えるほど低くなっているだけでなく、量も十分すぎるほど溢れている。この金余りが株価を押し上げる金融相場となっている。その結果、PERが実力以上に上昇しているように思う。限界を超えると逆流が起こるが、いつその限界を超えるのかは、事前には誰にも分からない。だから、常に用心しておく必要がある。「治に居て乱を忘れず」である。一番信頼できるのはチャートの変化である。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日は陰線で反落して売り線である「飛びつき黒」を形成したが、本日は昨日の陰線に対して十字線でやや反発した。形としては高値圏での「はらみ寄せ線」となった。もし、明日、はらみ寄せ線の下限を下回って寄り付くと売り圧力が増すと通常は解釈するのだが、さて、どう動くだろうか?
33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、不動産(1位)、ガラス・土石(2位)、情報・通信(3位)、石油・石炭(4位)、鉄鋼(5位)となった。