TOPIX +7 @1,629
日経平均 +56円 @22,549円
今週から主要企業の4~9月期決算が始まる。世界景気の減速により下方修正が多いと予想されるが、悪材料出尽くしと見る向きもあり、買い優勢の展開となった。長期金利が上昇したことを背景に銀行株など金融株も上げた。ただ、日経平均が上値抵抗線である22,600円台に近づくと利益確定売りが優勢となり頭を抑えられた。
また、英議会下院はEUと合意した新たな離脱案の採択を見送ったことで、EU離脱を巡る不透明感が残っている。さらに気になるのが、10月の消費増税以後の影響である。ポイント還元や軽減税率の導入により増税のネガティブ・インパクトは軽微だと受け止められているようだが、果たしてそうだろうか?増税前の駆け込み需要はかなりあったし、11月以降はその反動が統計数値として出てくるだろう。さらに、増税は半永久的であるのに対して、軽減措置はわずか9が月という期限付きである。
株価はP=EPS x PERで決まる。9月5日から本日までの日経平均EPSの推移を見ると、1,770円前後でほぼ変わらずである。にも拘わらず日経平均株価は21,086円から22,549円へと上昇した。何が変わったかというと、PERが11.91倍から12.72倍へ上昇したのである。PER=1/(r-g)なので、投資家の期待収益率rが短期間で変わっていないとすれば、変わったのはEPSの期待成長率gである。しかし、実際のEPSはこの短期間ではほとんど変わっていない。今週から始まる決算発表で将来のEPSが上がりそうかどうかが注目される。もし、このEPSが上昇するという期待が誤りだったとマーケットが期待修正をすると、株価の反動は避けられない。
日経平均の日足チャートを見ると、22,600円台の上値抵抗線に阻まれて4日連続で上ひげを引いており、高値圏での「4連続上ひげ」という売り線出現となった。これを一気に上抜けするには相当強力な支援材料が必要だと思われるが、さて、そういう展開となるか?
33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、鉄鋼(2位)、建設(3位)、サービス(4位)、その他金融(5位)となった。