TOPIX -1 @1,499
日経平均 -77円 @20,593円
中国人民銀行は8月8日、対ドルでの人民元取引の基準値を1ドル=7.0039元と前日より元安・ドル高水準に設定した。元の下落幅が市場の予想の範囲内だった。上海外為市場やオフショア市場での人民元の下落が一服したことで、通貨安による米中摩擦の激化が避けられるとの見方が強くなった。これを受けて、株安圧力が弱まった。だが、新たな買い材料は乏しく、上値を買い上がる動きはほとんど見られなかった。
インドやタイも含め、各国の中央銀行が次々の利下げを実施ている。米国長期金利も1.6%台にまで低下しており、世界的な金利低下現象が起こっている。米中貿易戦争の激化による景気減速懸念がますます高まっているからである。金利が下がることは株価にとってはプラス要因である。しかし、なぜ金利が下がるかといえば、景気見通しが暗いからである。金利低下によるプラス要因とくらい景気見通しによるマイナス要因の綱引きで、今後の株価の方向性が決まる。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日形成した「はらみ寄せ線」を若干上抜けた。これで当面の底を見たと言える。しかし、通常はある程度反発するとまた売りが優勢となって直前の底値の堅牢さを試しに行く。今回はどんな展開になるだろうか?
33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、鉱業(2位)、海運(3位)、その他金融(4位)、保険(5位)となった。