■【来週の見通し】 堅調か。米雇用統計を通過してやや材料難となるが、小売企業などの決算が多く出てくることから、マクロからミクロに視点が移る格好で個別物色が活況になると考える。ユニー・ファミマ(10日)や、安川電、ファストリ(11日)などの決算が中でも注目を集める。米国では主要3指数がそろって高値を更新するなど外部環境は悪くはないため、決算で良い内容が確認できた銘柄には素直に買いが入るであろうし、良くはなかった銘柄に関しても、押し目を拾う動きが出てくると思われる。円高は警戒材料ではあるものの、国内も選挙モードに突入しており全体的に売りが出しづらく、しっかりした動きが続くと予想する。(Traders webより抜粋)
■来週の東京株式市場は、5日発表の6月米雇用統計や10、11日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言などで米金融政策の行方を探りつつ、神経質な値動きとなりそうだ。「予防的利下げ」の観測が強まれば、株式市場には追い風となる。今後の製造業の決算を占う上で、11日に発表される安川電機の決算も注目度が高い。
日経平均の予想レンジは2万1300―2万2000円。(ロイターより抜粋)
■米国の利下げによる日米の金利差縮小は、ドル・円下落の要因とされる。それだけに、もしも通例の0.25%ではなく倍の0.50%の引き下げが7月FOMCで実施されれば、急激な円高を招く可能性がある。このあたりを意識する値動きには注意が必要だ。
また、今週は週初(8日)と週央(10日)にパッシブ(指数連動)型ETF(上場投資信託)の決算が集中することで、現物株と株価指数先物に大きな売り需要が発生する公算だ。
これは、3月の配当落ち分を先物で買い建てた際のポジションの解消と、分配金捻出(ねんしゅつ)のための現物株売りによるもの。8、10両日ともそれぞれ先物+現物で計3000億円前後の売りが発生するとみられている。
今週は中国経済の情勢を映すイベントも多い。まずは9日引け後に発表予定の6月工作機械受注(速報値)では、同国向け(詳細は23日発表の確報値で判明)のウエートが大きい外需の前年同月比マイナス幅(前月は23.8%)が縮小するかが注目される。
さらに10日に同国の6月消費者物価と生産者物価、12日には6月貿易収支も出る。そして、この両日に挟まれた11日の引け後には、中国関連株の代表格である安川電機(6506)が3~5月(今2月期第1四半期)決算を開示する。連結営業利益の市場予想は90億円強だ。
日経平均の想定レンジは2万1350~2万2150円とする。(SBI証券より抜粋)
■≪市場関係者の見方≫
●SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
「米利下げ期待によるやや楽観的な見方が継続する。パウエル議長の議会証言では、金融政策の舵を完全に利下げに切ったとの方向性が確認されるだろう。米中貿易協議の再開はプラスだが、5月の決裂前に戻っただけで不透明要因は残る。利下げ期待と裏腹に景気減速への警戒も台頭してくるため、高値圏にある米国株が調整に入れば、日本株に波及する恐れがある。為替が円安に振れる材料は見当たらず、今年度の日銀短観での想定為替レート109円台と比べると企業業績への影響が懸念される」
●損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネージャー
「底堅い展開を予想する。中国で予定される指標も含め、経済指標や企業業績で良い話が出てくるタイミングにない。日本の第1四半期業績は製造業が生産調整している関係もあり、良くないだろう。景気が悪化する懸念はなお払拭(ふっしょく)できない面も残り、景気敏感の日本株は動けない。ただし、企業業績のコンセンサスはこの半年間切り下がり続けている。景気循環からみて悪化は終盤に差し掛かっている。悪材料に株価は打たれ強くなっている」
(ブルームバーグより抜粋)
■大幅な利下げは望み薄か――市場にそんな疑念が浮かんだ1日だった。5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し祝日前の3日に付けた最高値を43ドル下回った。6月の米雇用統計が米景気の力強さを示し投資家心理を支えた一方で、米連邦準備理事会(FRB)が大胆な利下げに動くとの期待が後退したためだ。
「不発だった花火が打ち上がった」。CIBCキャピタル・マーケッツのキャサリン・ジャッジ氏は6月の雇用統計を、4日の独立記念日に全米で上がった花火に例えた。非農業部門の雇用者数の前月比の伸びが22万4000人と5月の7万2000人から回復し、市場予想も大幅に上回った。
雇用統計がまず揺さぶったのが米景気の減速を織り込んでいた債券市場だ。長期金利の指標となる10年物の米国債利回りは一時2.06%と3日の終値に比べ0.11%上昇(価格は下落)した。金融政策の影響を受けやすい2年物国債の利回りも1.88%と0.12%上昇する場面があった。
6日で1年になる米中の貿易戦争は米企業の景況感にも影を落としている。パウエル議長は10日の議会証言でも「景気拡大を支えるために適切な行動を取る」と利下げを示唆する見通しだが、市場で大幅利下げへの期待が広がる可能性は低下した。金利低下で買われていた生活必需品や公益事業など「ディフェンシブ株」は調整を迫られそうだ。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕より抜粋