■【来週の見通し】 波乱含みか。G20大阪サミットが28~29日に開催される。この近辺で米中首脳会談が実現するとみられており、交渉に進展が見られるかが注目される。ただその分、G20前は売買自体が手控えられるだろう。交渉も一筋縄ではいかないと思われる中、円高進行や米国とイランの対立など警戒材料もあり、首脳会談前にはリスク回避の売りが出てくる展開も想定される。一方、利下げ期待から米国株に強い動きが見られる点は下支え要因となる。月末で米国の指標発表も多いが、現状では指標が悪ければ利下げ期待が高まり、米国株の上昇をサポートする展開が期待できる。米中関連のニュースや為替、債券をにらみながら神経質な地合いが続くとみるが、崩れれば米国の7月利下げが意識されることから、下はあっても一時的と考える。(Traders webより抜粋)
■ 来週の東京株式市場は、一進一退の展開が見込まれる。週末の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を控えて様子見姿勢になりやすいものの、米国とイランの対立激化による中東情勢緊迫化や、円高進行がリスク要因になる。1ドル106円台まで円高が進行すると企業収益への懸念も浮上しそうだ。一方、世界的な金融緩和ムードが高まる中、株式市場への余剰資金の流入期待は支えになると予想される。
日経平均の予想レンジは2万0800―2万1800円。(ロイターより抜粋)
■長期金利のマイナス0.2%は、日銀がイールドカーブコントロール(YCC)政策において許容する下限に当たる。このため、建前通りこれ以上のマイナス金利の深掘りを許容しないのであれば、利下げに傾く米国との金利差は今後縮小していく。
黒田日銀総裁は20日の金融政策決定後の会見で、追加緩和を辞さない考えを表明したが、日銀の打つ手はあまり残されていないという見方が主流だ。マイナス金利の許容幅拡大や制限撤廃というオプションは、銀行の収益悪化という副作用があるだけに慎重にならざるを得ないだろう。
低金利を強気材料としつつ、それに付随する円高がマインドを曇らせる綱引きのような状況が今週も先行しそうだ。ただ、28、29日のG20ではトランプ米大統領と中国の習主席の会談が行われる見通し。米中摩擦の緩和期待が高まることで、週後半は買い方が勢いづく可能性がある。
テクニカルに目を向けると、日経平均は日足一目均衡表の「雲」下限に跳ね返される形で陰線を引いた。水準的にも大型連休前に買った向きによる戻り売りが強まり始めたと考えられる。「雲」の上限(現在は2万1557円)を突破できるかが、シコリ縮小の判断材料の一つだ。
(SBI証券より抜粋)
■≪市場関係者の見方≫
●JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
「G20で予定されている米中首脳会談の事前協議で合意に向けて前向きなニュースが出れば、通商交渉の再開や対中追加関税がいったん見送られるとの期待が高まり、リスクオンムードとなるだろう。最近の米経済指標は市場予想を下振れる傾向があるものの、悪い結果は逆に米国の利下げを後押しすることになり、株式相場にプラスに働く面もある。米中摩擦の緩和によって世界景気に対する不透明感が後退すると、確実視されている7月の米利下げ期待が剥落する可能性があるので注意が必要だ。米長期金利の低下による日米金利差の縮小から為替の円高推移は重しで、企業業績への影響が懸念される」
●あすかアセットマネジメントの平尾俊裕社長
「G20を控えて様子見の中、もみ合いだろう。米国と中国は覇権争いの状態にあり、通商摩擦で自国経済が傷ついてネガティブインパクトを認識するまで争いは続くだろう。今回のG20では交渉がまとまらない可能性が高い。ただし、交渉がまとまるとはマーケットも織り込んでいないため、何らかのポジティブ材料があれば反応もしやすい。米国の金融緩和姿勢が鮮明となって円高となっているため、株高にはなりにくい。米国とイランとは従来からの緊張した状況は続くだろうが、両国の戦争には発展しないとみられ、相場への大きな影響はない。日経平均の想定レンジは2万0800-2万1500円」
(ブルームバーグより抜粋)