(右)幻冬舎版
クラウス・フォアマン装画
「この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます。」
早川書房 塩澤快浩
「ひきこもり」を題材にした小説、津原泰水著『ヒッキーヒッキーシェイク』、
読了~
そのオビには担当者からの、上記のコメントが記載されています
担当者の決意は本物ですね。
早川書房社長の許可を待って、このオビとなったそうですから
(ただし、初版が当初の2倍以上になり、
辞める必要もなくなったと昨日twitterに書かれていました)
5月中旬、twitterで津原泰水の名前がよく流れてきました。
津原氏が百田直樹氏の『日本国紀』を批判したことが発端となり、
幻冬舎社長の見城徹氏が津原氏著書の実売部数を発表、
同社より文庫化予定だった『ヒッキーヒッキーシェイク』が
中止に追い込まれたとのいきさつがあったようです
「人間造りに参加してほしい」
少し怪しいカウンセラーを通じて、
4人のひきこもり達(パセリ、セージ、ローズマリー、タイム)が
ネット上で協力をしてミッションを遂行する・・・
そんなお話です
個人的には、ひきこもりのひとりがバンド活動に加わる場面はツボでして、
読みながら爆笑してしまいました
そして眼の前が開かれるような、明るい未来を感じさせるラスト
それぞれが挫折をしながらも自らの能力を発揮し、目的に向かって進むさまは、
もはや「ひきこもり」ではないと私は思うのですが、どうでしょうね
俺たちには嘘をつく権利がある。
それはでかいほど罪がない。
twitterもそうですが、要所を抑え、
言葉を端的に述べられる津原泰水氏に注目しています