2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の本庶佑特別教授が京都市内で会見を開き、本庶氏の研究をもとに小野薬品工業が開発したがん免疫治療薬「オプジーボ」をめぐり、特許契約を結んだ同社から支払われた約26億円を、契約に納得できない点があるとして受け取っていないと明らかにしたそうです。
全額法務局に供託されているとのことです。
本庶氏は「若手研究者の育成のためにも、オプジーボの売り上げで得られる(特許料の)対価引き上げを求め、小野薬品と協議したい」と述べたそうです。
オプジーボは、本庶氏らが発見した免疫を抑制するタンパク質「PD-1」の研究成果をもとに、同社が実用化したもので、両者は共同で特許を出願し、平成18年に同社が特許を独占的に使用し、本庶氏は対価を得るという契約を結んだそうです。
会見に同席した井垣太介弁護士は、平成18年に本庶氏個人と小野薬品が特許に関しての契約を結んだ際、同社からの対価の料率に関する説明が不正確だったと説明、当時の本庶氏が特許契約に関する知識が乏しかったと強調し、「本庶先生は研究で忙しく、弁護士に依頼する余裕もなかった。小野薬品ももう少し慎重なプロセスを踏むべきだった」と指摘したそうです。
対価の引き上げを求め、本庶氏らは平成23年ごろから小野薬品と交渉を開始しましたが、昨秋以降は実施されていないとのことです。
本庶氏は会見で「公正な産学連携のモデルを作らないと日本のライフサイエンス(生命科学)分野はダメージを受け、若手研究者もやる気を失う」と語ったそうです。
本庶氏はノーベル賞の賞金を原資に設立した「本庶佑有志基金」にオプジーボの販売で得られる対価を充てたいとする考えを示しているそうですね。
元々の契約はおそらく法的には問題はないのでしょうね。
あとは、小野薬品がどれだけの誠意を見せられるかといったところでしょうか。
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