原始時代、ヒトは太りたくても太ることができなかった。狩猟が成功しなければ、何も食べられない。このように食糧の供給が不完全だったため、太ることなどできなかったのだ。
狩猟が成功すれば、食べられる。
狩猟が失敗すれば、食べられない。
結果、好む好まざるは別にして、
原始時代のヒトは絶食(ファスティング)期間を設けていたことに気がつく。
米国にいる糖尿病専門医が、このことを治療に取り入れて成功しているという。古今東西のありとあらゆるダイエット法、それらメタアナリシス文献に精通し、ファスティング療法にたどり着いたというわけだ。
書籍の終わりの方から読み始め、中盤までたどり着いた頃には、
この糖尿病専門医の考え方が良く理解できるに違いない。
★「トロント最高の医師が教える太らないカラダ」
ジェイソン・ファン著 多賀谷正子訳 サンマーク出版
2019.1.20.初版 2019.3.1.第9刷
低カロリー療法は無効。ローカーボにすればイイというわけではない。運動療法はそれだけでは無効。ミシェル・オバマが展開したダイエット療法も、昔っからあって何度も証明されているとおり無効だ。朝からしっかり食べてもイケナイ。
答えは、まさに表題に書いたとおり、インスリンとコルチゾールを出さないようにして減らせばイイ。そのためにも、原始人のように絶食(ファスティング)期間を設けることが、理にかなっているというわけだ。
巻末に、一週間の絶食カレンダーが掲載されており、さして難しくないことがすぐわかると思う。基本は、腹が減ってないときには食べないということだ。インスリンは炭水化物だけが影響して分泌されるわけではないという。タンパク質でも、人工甘味料でも、インスリンは分泌されるという。
ヒトはインスリンにさらされると、100%太る。
このことが糖尿病の治療患者の考察より、明らかにされている。
またストレスにさらされて、コルチゾールが分泌されると、インスリンと相乗作用を発揮して、際限なく太っていくという。
この辺の仕組みが、詳細に明かされているので、少なくとも医療関係者はこの書籍をよく読まないとイケナイ。
インスリン抵抗性についても、特に人工甘味料のところでよく書かれている。中国人の最近になってからの糖尿病患者増大の利用についても、考察されている。今まで読んだどのダイエット書籍よりも、オモロイものになっている。