優利加さんのブログ

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悪材料が続出しても織り込み済みとなれば反発する

昨日の米国株式相場は休場だった。ドル円為替レートは109円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が573に対して、下落銘柄数は1,466となった。騰落レシオは90.24%。海外投資家が休みだったため東証1部の売買代金は1兆7310億円と薄商いだった。

TOPIX -10 @1,556
日経平均 -96円 @20,623円

休場明けの米国株式市場の動きを見たいとして、また、これから本格化する主要企業の決算を見たいとして買いを見送る投資家が多かったため、TOPIXも日経平均も小幅安となった。さらに、IMFが世界の経済成長率を下方修正したことで世界景気の先行きが曇ってきた。上海総合指数をはじめとするアジアの株価指数の多くが下げた。

英国のEU離脱を巡る混乱が続いている。メイ英首相は1月21日に英議会でEU離脱に向けた代替案を表明したが、これまでの主張をほぼ繰り返している。29日に議会で再び採決する予定だが、期限とされる3月末までに円滑に離脱できるかどうかは不透明となってきた。

株価は昨年10月初旬以来大きな調整を続けてきたが、ROE、PBR、PERの関係で考えてみよう。
PBR=PERxROEが理論的には成立する。株価が下がると、PBRも連動して下がる仕組みだ。右辺のPERが低下することで左辺のPBR、つまり、株価が下がる。伊藤レポートで事実上、ROE=8%が日本企業のスタンダードとなった。ROEが投資家の要求する株主資本コストである8%以上ならば、残余利益モデルからPBR>1となるが、これは経験則でもそうなることが確認できている。東証1部の12ヶ月予想PBRは約1倍なので、現在は9.2%のROEが1年後には8%まで低下することを株価が織り込んでいることを示す。さらに、ROE=8%から計算すれば、来期のEPSが15%ほど低下することを株式相場はすでに織り込んだことになる。これ以上に減益となれば、株価はさらに下げるはず。ならなければ、下げ止まりから反発へと展開するはず。

悪い材料が出続けると株価は下がるが、下げすぎて織り込み済みとなると反発することがある。2015年8月に中国人民元が切り下げられて、株価は急落し、2016年初めには原油価格が下落して2度目の大きな下げとなった。しかし、2月の下げの後も円高の進行で悪材料がまた出てきたが、株価は底割れせず、年後半には大幅高となった。2019年も同じようなパターンになるのではと期待する声もある。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、金属製品(2位)、鉄鋼(3位)、電機機器(4位)、機械(5位)となった。


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