TOPIX -34 @1,638
日経平均 -459円 @21,811円
米国株式相場の大幅安を受けて、TOPIXも日経平均も大きく下げた。前場では日経平均は800円近く下げる場面もあった。
米アップルに部品を供給する企業が「大口顧客から出荷を大幅に減らすように要請を受けた」と説明し、業績見通しを下げた。この大口顧客とはアップルに違いないと市場は読んだ。iPhoneの販売減速懸念が高まり、アップル株が急落した。これを受けて、東京市場でもTDKや村田製作所など、アップルに部品を供給する電子部品株が軒並み大幅安となった。さらに、10月の工作機械受注額が23ヶ月ぶりに前年同期比で減少し、SMCやオークマなど機械株も売られた。しかし、日銀によるETF買いの観測が浮上して下げ止まり、上海株も持ち直し、円高方向への動きも止まると、後場の日経平均は下げ幅を縮小する動きになった。結局、日経平均は長い下ひげを引いた単陰線で終え、「たくり線」となった。
「アップル・ショック」は比較的短期間で消化されるだろう。より長引きそうな問題は米中貿易摩擦が原因となる中国景気の減速だろう。さらに、新興国の景気鈍化、イタリヤ財政を巡る問題、下げ止まらない原油価格など、株価を下押しする材料に事欠かない。人々の心理が不安になればなるほど、相場は下がるが、冷静な投資家にはそれが大きなチャンスとなる。ピンチはチャンスである。
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、建設(2位)、鉱業(3位)、鉄鋼(4位)、石油・石炭(5位)となった。