TOPIX -27 @1,675
日経平均 -423円 @22,271円
米国株は反発したが、TOPIXも日経平均も大幅下落した。安倍晋三首相が10月15日に2019年10月の消費増税を実施する方針だと伝わり、投資家心理が弱気に傾いていた。そこへ、ムニューシン米財務長官が日本との物品貿易協定(TAG)交渉を巡り、日本に対して通貨安誘導を封じる「為替条項」を求める考えを示したことが相場の下げに拍車を掛けた。これで一段の円安と業績見通しの上方修正のシナリオが描きにくくなったからだ。
足元の相場の戻りは鈍いが、これは定石の範囲内での動きであり、驚くべきことでもない。しかし、消費増税をすれば、ほぼ間違いなく景気は腰折れし、よほど良いサプライズ材料でもない限り株価は下げ基調に転じるはずだ。足元は下げスピートが速すぎるので、早晩、自律反発があるだろう。もし、来年10月までに相場が大きく上昇するような局面があれば、絶好の売り場となると見ている。「株式投資とは買うものだ」教という宗教の信者は皆、苦難の時代が待っているのではないか?私にとって株式投資とは「株価の中長期的な波に乗りながら売買し、投資元本を徐々に増やして行くこと」なのだが。株価は、P=PER×EPSで厳然と決まる。消費増税で売上が伸びるどころか、良くてジリ貧となるのに株式相場の先行きの楽観度を示すPERが上がることなど期待できない。売上を伸ばさずにEPSを上げるには費用の削減、特に人件費を削減することである程度は可能だが、そのような利益増は持続できない。
日経平均のチャートを見ると、今年3月26日安値を起点とした中期上昇トレンドラインをやや割り込んだ。ということは下に振れ易いことを暗示する。しかし、2016年6月20日安値を起点とした長期上昇トレンドラインはまだ下抜けていない。今週、来週が踏ん張りどころだろう。
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、情報・通信(1位)、ガラス・土石(2位)、輸送用機器(3位)、食料品(4位)、銀行(5位)となった。