TOPIX +3 @1,764
日経平均 +37円 @23,506円
日経平均で見て前4営業日で約800円下落していた。その前までは短期的な過熱感があったが、これで過熱感が解消したと見て、自律反発狙いの買いが増えたことでTOPIXも日経平均も下げ渋り、終値でわずかに反発した。日銀によるETF買いの観測が出たことも相場を下支えした。日経平均の日足は、前日の陰線に対して本日は十字線で「はらみ線」となった。また、上向きの25日移動平均線を割り込まずに辛うじて踏みとどまた。さらに、本日で下方新値5本であるので、押し目としてはスタンダードな下げ幅となった。
中国景気の減速懸念と米国長期金利の上昇(3.26%、7年5か月ぶりの高水準)がボディーブローのように世界景気と株価に影響し始めている。ニューヨーク市場に上場するアリババの米預託証券(ADR)は10月9日に年初来安値を更新した。今年6月から約3割下げており、時価総額で1550億ドル(=17兆5,000億円)が消えたことになる。ソフトバンクはアリババに29%出資しており、この期間に5兆円の価値を失った。これを嫌気して本日はソフトバンクは大幅下落した。
米国金利が上昇すると、ドル建て債務のコストが上がる。新興国の多くはドル建てで資金を調達しておいて、調達したドルをドル売り・現地通貨買いで現地通貨に替えて国内プロジェクトに投資している。ドル金利が上がるほど、債務負担は重くなるし、ドル高・新興国通貨安になりやすい。すると、現地通貨で返さなくてはいけない金額が実質的に増加し、最悪の場合は返済不能となり債務不履行をする。さらに、マネーはより高い利回りを求めて、新興国から米国へ還流する。これが新興国通貨安をさらに加速する。
33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、水産・農林(2位)、その他金融(3位)、電気・ガス(4位)、保険(5位)となった。