米国長期金利の急上昇が日本株の頭を抑えた

優利加さん
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昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +54.45 @26,829.39, NASDAQ +25.54 @8,025.09)。ドル円為替レートは114円台前半の前日比円安水準での動きとなった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,236に対して、下落銘柄数は800となった。騰落レシオは111.68%。東証1部の売買代金は3兆1077億円。

TOPIX -2 @1,801
日経平均 -135円 @23,976円

米国株は上げたが、米国長期金利が3.18%へ大幅上昇した。これは7年3ヶ月ぶりの高金利水準である。日本の長期金利も一時0.155%と2年8ヶ月ぶりの高水準に上昇した。これを受けて円相場は1ドル=114円台半ばまで円安・ドル高となった。ただ、円安で恩恵を受けるはずの輸出関連銘柄の上値は重かった。他方、医薬品や食料品など割高感がある銘柄は下げた。日米の金利が上げたことを好感して、運用環境が改善するとの期待から銀行や保険などの金融株は買われた。また、ニューヨーク原油先物価格、WTIが1バレル=76.90ドルまで上げ、2014年11月下旬以来、3年10ヶ月ぶりの高値を付けた。これを受けて、石油・石炭株が買われた。

長期金利が上昇するということは債券価格が下落するということであり、債券投資の期待リターンが高まることを意味する。株式投資における類似リターンである益回り(一株利益÷株価)が変わらない場合、債券投資がより魅力的となり、投資家を株売り・債券買いに促す。その結果、株価の割高感が増した。さらに、金融緩和縮小局面で、インフレ加速を想定した米国金利の急上昇は米国株の調整を引き起こすのではないかという懸念が高まった。金利の先行きを占うために、10月5日発表の米国雇用統計に世界の注目が集まっている。市場の想定以上に雇用者数が伸びるか否か、賃金上昇があるかどうか?もし、想定以上なら、長期金利はさらに上げ、3.25%くらいまで上げるかもしれない。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、石油・石炭(2位)、保険(3位)、卸売り(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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