4つ掲載されているカレーレシピ、
オイラの嫌いなトマトベースのものがない。
ひとつだけトマトを使っていても少量で、ベースは豆になっている。
トマトを大量に使うと旨味が出にくくなってしまう(感じにくくなるが正解か)という欠点を、このシェフは、とうに知り尽くしている。
また、カルボナーラでは卵黄ではなく、全卵を使用し完全栄養を摂取しようとしている。そして、ソースがぬるいとまずくなるので湯煎しているところも、オイラの好みに一致している。
さらに、このシェフの書いた前書きが、多くの読者の心を鷲づかみしているだろうと想像できる、素敵な内容になっている。
★「愛蔵版 クイーン・アリスの永久保存レシピ」
石鍋裕オーナーシェフ、真中祥瑛シェフ著 世界文化社
2013.2.1.初版第1刷 2017.7.10.第6刷
冷蔵庫に、なんとなく買ったホッケがあった。
塩焼きにするつもりだった。
ところが、この書籍の魚介料理のところに、白身魚だったらなんでもOKというレシピがあって、しかもそれが健康にイイとされる地中海料理だったので、無性にチャレンジしてみたくなり、ホッケで調理してみた。
その結果は、想像以上に大成功で、ちょいと感動してしまった。
その料理は、「ブイヤベース」。
カレープロの水野仁輔によれば、元来ブイヤベースとは残った魚のあらをもったいないから全部ぶち込んで調理してみたという漁師飯だったらしい。
フランス料理の教科書にも、そうした片鱗を見せている部分があって、
とにかく材料のすべてを完全に利用するというのが、フランス料理の本質にもあるらしい。
なので、本当は白身魚のみならず、赤身だろうが青身だろうが調理できるはずなのだ。だだし、青身魚の場合には臭みが問題になるので「湯抜き」が必要になるらしい。なぜ「らしい」と書いたかというと、直前に見ていた民放番組でどーいうわけか青魚を「湯抜き」する場面を目にしたからだ。ちょっとしたセレンディピティ。サバの味噌煮を調理する場面だった。
話を戻すと、ホッケは石鍋の推奨する白身魚ではなかったが、
骨が取れやすくて食べやすいだけでなく、その身は塩焼きと比べてふっくらとして柔らかく、なにか別の魚でも食べているような気がして、オイラは大いに気に入ってしまった。なお、ホッケは冷凍しておいたので、流水で解凍し皮をはいで、ぶつ切りにして調理した。
パセリはなかったので、なんとなく買っておいた水菜で代用し、
トマトは湯剝きするところ、ちょいと面倒なので皮ごとぶち込んだ。また、トマトの量はレシピよりも減らして調理した。じゃがいもは、たまたま指定されていたメイクイーンがあったのは幸運だった。じゃがいもは種類が多く、料理によって向き不向きがあると、どこかで目にしていたことがあったからだ。
やはりトマトに皮があると口触りが悪くなるのだが、ブイヤベースの本質的な味には影響がなかったので、十分に堪能できた。メイクイーンの歯ごたえもパーフェクトだったし、水菜も存分に愛嬌を振りまいていた。サフランを入れすぎたのか、書籍写真より色が濃い。ローリエの葉を、なんとなくでも買っておいてよかった。ローリエの葉1/2枚のところ、1枚使ったので早めに取り除いてみた。出汁を何も加えなくても、十分に旨味が出ていると分かった。お代わりをする弾で、試しにコンソメ顆粒を加えてみたのだが、ほとんど味に変化がなかったところから、それが証明された。
基本的に柔らかい食材の料理なので、歯や胃腸の悪い高齢者でも大いに気に入ってもらえる料理に思われた。
消化がイイせいなのか、結局オイラは三人前を平らげたというのに、
ひと眠りするともう腹が減っていた。今度作るときには、コメも投入してみよう。
PS:ルイユについて
ピリ辛マヨネーズソースとして掲載されていた。
ブイヤベースには定番のソースとのこと。
マヨネーズ大さじ2強、すりおろしにんにく小さじ1、
カイエンヌペッパー小さじ1。
カイエンヌペッパーがなかったので、チリペッパーで代用。
なかなか美味い。
なお、石鍋によれば通常の唐辛子は過熱しないと辛みが出にくいが、
カイエンヌペッパーは冷製料理にも辛みが出せるという。