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2012年の危機再来の様相、動揺する欧州市場

2012年の危機再来の様相、動揺する欧州市場-今度はイタリアが震源


ポルトガルとイタリア、ギリシャ債の利回り急上昇、売りは株に波及
ユーロは10カ月ぶりの安値、逃避先通貨は上昇
欧州に債務危機の嵐が吹き荒れた2012年が再来したかのようだ。イタリアとポルトガル、ギリシャ債の利回りは急上昇、著名投資家のジョージ・ソロス氏は欧州連合(EU)の「存在の危機」を警告した。

  きっかけはイタリアの反EU、国家主義政党がやり直し総選挙を事実上のユーロ残留・離脱を問う国民投票にしようとしていることだ。イタリア資産は29日の市場でクラスを問わず下落。10年物国債のドイツ債に対する上乗せ利回りは約5年ぶりの幅に広がった。

  ソロス氏はパリでの講演で、「イタリアは政治混迷の中で選挙を迎える」とし、経済と移民政策の失敗は「欧州が存在の危機にあるというのは、もはやただの言葉ではなく、厳しい現実であること」を意味すると語った。


  最近の欧州では景気が回復し安定を取り戻したとの感触が広がっていたが、ここ数日の展開は、南欧を中心にした体制への強い幻滅や世論の分裂がいかに短時間でセンチメントを変化させ得るかを鮮明にした。数年前のような状況ではないかもしれないが、数週間や数カ月で政治リスクが消え去る望みはほとんどない。

  ユーロは一時、ドルに対して10カ月ぶり安値の1ユーロ=1.151ドルに落ち込んだ。リスク回避の中で円はG10通貨の中で最大の上昇。

  イタリアの混迷に、ラホイ首相の不信任投票を控えたスペインで波乱が予想されることも加わり、ポルトガルやギリシャなどユーロ圏の周辺国国債にも売りが及んだ。ギリシャの10年債利回りは5%に近づき、8月に予定される救済プログラム脱却にも黄信号が点灯した。

  パニックは株式市場にも波及し、イタリアへのエクスポージャー(投融資)を巡る懸念から銀行株が売られ、ドイツ銀行の株価は16年9月以来の安値となった。

(ブルームバーグ引用)
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