NY市場の下落要因は大きく分けて2つありました。
①中国が米国からの輸入品128品目に対し25%の追加関税措置を発表
これを受けハイテク株を中心に売りが拡大
②トランプ大統領のアマゾン叩きが止まらず
アマゾンを筆頭にFANGの売りが加速
またアップルがMacに使用されているインテル製の半導体を
2020年までに自社製品に変更することを発表
この報道を受けインテル株が急落
<トランプ大統領のアマゾン口撃:日経新聞電子版より転載>
アマゾン・ドット・コムなど主力ネット銘柄である「FANG」株への売りが止まらない。この影響で2日のナスダック総合株価指数は2カ月ぶりの安値を付けた。3週間前には過去最高値を更新したが、そこからの下落は1割に迫る。ハイテク株には規制強化への警戒感が高まっている。
トランプ米大統領によるアマゾンへの「口撃」が続いている。前週末から2日朝方にかけて、トランプ氏はツイッター上で「税金を満額納めている小売業者の閉店が全米で続いている。これは公正な競争レベルではない」、「郵便局はアマゾンの配達1つごとに1.50ドルの損失を被っている」などと立て続けに批判した。2日のアマゾン株は、課税強化や反トラスト法(独占禁止法)抵触の可能性が意識され5%安となった。
米国では、個人情報の不正流用が問題となったフェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が今月中旬に個人情報の管理などを巡り議会証言を行う予定で、規制強化は避けられない状況となってきた。株式市場では「個人の行動や好みに応じたターゲット広告が規制されれば、収益成長が鈍りかねない」(シーミス・トレーディングのマーク・ケプナー氏)といった声が増えている。
「FANG」のフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(現アルファベット)に、中国のアリババ集団などを加えた10銘柄で構成する株価指数「NYSE FANGプラス指数」は2日、3月中旬に付けた過去最高値を15%下回る水準まで下落した。2017年は年間で58%上昇して米国株をけん引したこの指数の急失速で、リスク回避姿勢は株式市場全体に広がる。ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は関連会社であるレク・セキュリティースにおける運用について「ネット株の買い持ち高を一時的に減らした。当面は様子見」と明らかにする。
ミラー・タバックのマリー氏は「2000年のIT(情報技術)バブル時代に比べると割高なハイテク株は限られる。08年の金融危機の頃に比べると金融システムは安定している。ハイテク株の成長期待が完全に消えたわけではない」ともみていた。今月から始まる18年1~3月期の決算発表で、上場企業の業績改善や良好な見通しが確認できれば相場が持ち直す可能性はある。だが、目先はFANGをはじめハイテク株の不安定な動きが続きそうだ。