倒産情報 8月報

[トロンボーンさん]

 

2008年8月報

倒産件数は1018件、3ヵ月連続で1000件を超える高水準
負債総額は8148億5800万円、今年最大を記録








■件数


ポイント　3ヵ月連続で1000件を超える高水準
倒産件数は1018件（前月1131件、前年同月985件）で、集計基準変更の2005年4月以降で最多を記録した前月比では10.0％の減少となったが、前年同月比は3.4％の増加となり、3ヵ月連続で1000件を突破した。景気後退局面を迎え、倒産件数はさらに増加基調を強めている。
要因・背景　建設・不動産業の大型倒産続発、「不況型倒産」の急増
1．不動産市場の急速な環境悪化により、建設、不動産業で大型倒産が続発
2．「不況型倒産」が829件に急増、構成比81.4％は2005年4月以降で最高の水準
3．原料高関連の倒産が69件発生、前月（60件）を上回り過去最多を3ヵ月連続更新
■負債総額
ポイント　今年最大を記録
負債総額は8148億5800万円（前月6402億3200万円、前年同月8351億2200万円）で、前月比は27.3％の増加。集計基準変更の2005年4月以降で最大を記録した前年同月比では2.4％の減少となったものの、前年同月に次ぐ2番目の高水準で、今年最大を記録した。
要因・背景　建設、不動産業界で負債総額の70％超を占める高水準
1．新興デベロッパーの（株）アーバンコーポレイション（広島県、負債2558億3200万円）が今年最大の負債を抱え倒産
2．りんかい日産建設（株）（東京都、同629億8300万円）の倒産も、建設業で今年最大
■業種別
ポイント　 建設業が今年2番目の高水準、運輸・通信業は過去最多
業種別に見ると、建設業（307件、前年同月比＋12.9％）、不動産業（33件、同＋37.5％）など、4業種で前年同月比増加となった。建設業は2ヵ月連続で300件を上回り、前月（324件）に次いで今年2番目の高水準。運輸・通信業（56件、同＋60.0％）は、2007年10月、2008年3月の41件を大幅に上回り、集計基準変更の2005年4月以降で最多となった。
要因・背景　不動産業界の急激な環境悪化、原料高の影響さらに広がる
1．建設業…新興不動産会社に対する焦げ付きが引き金となった大型倒産が続発
2．不動産業…資金調達環境が急速に悪化、資金繰り倒産が目立つ
3．運輸・通信業…56件すべてが運輸業の倒産、燃料価格の高騰が経営に深刻な影響