恍惚の人・老いらくの恋

サンサンさん
サンサンさん
来週の月曜日〔15日〕は「敬老の日」である。

先日6日、名古屋大学の公開講座の帰りのバス中で、「どうぞお座りください」と、男の子と一緒に座っていた女性に声を掛けられた。「いえ、すぐ降りますから」と笑顔で答えたが、昨年までは、こんなことは一度もなかった。

65歳になって「敬老手帳」を支給され、年間5000円払えば名古屋の市営交通機関は乗り降り自由な「敬老パス」で行動している私は、正しく「老人」である。

図書館で借りた有吉佐和子著の「恍惚の人」〔昭和47年6月10日発行〕を読み終えて、この本がベストセラ-になった頃は、友人に「おお~い、恍惚の人」などとからかい言葉にしていたのだが、織田信長の「人生50年」を遥かに超えた今、この本が訴える「老人問題」が人ごとでなく、自分の事だと思い至った。

私の母は、80過ぎて「恍惚の人」になり、夜中に食べ物をあさっつたり、オムツもして、家内も大変な思いをした。
その半年後、雪が積もった日に亡くなったが、私の兄弟は誰も家内に「お礼の言葉」もかけなかった。

私は随分腹をたてたが、しょせん「その立場」を経験していない者には「理解不可能」と家内を慰めた。

その2年後、今度は家内の父〔義父〕を我が家に引き取った。義父は食事時に「この家は明るくていいなあ」といっていた。いつも笑い声がする家族が羨ましいとのことだった。

みんかぶの仲間で「恍惚の人」を読まれた方も多いと思うが、ボケない秘訣は「趣味を持ち、生きがい」がある人になるよう日頃から心掛けることのようだ。

さて、町内の放送局〔井戸端会議〕局長の話。
敬老に日に「ふれあい会食の集い」があり、100円の会費を払って食事をし、その後カラオケを楽しむそうである。
そのうちに仲良くなった老人男女が、離婚騒動を起こしたり、独り者同士であれば、婚姻届の出さずに〔出せば女性の年金は貰えない〕お互いの年金で楽しく暮らしたり、田舎の両親と同居して、いつの間にかその遺産も手に入れるとか。

私は、ただ「へ~え」と驚くばかりであるが、局長に「あんたも世間にうといな~」と笑われる始末であった。

これが「老いらくの恋」なのであろうか。
8件のコメントがあります
1~8件 / 全8件
まつぴょんさん

こんにちは

コメントありがとうございます。

そうですか。

敬老の日が「結婚記念日」ですか。

これなら忘れることがなくていいですね。

まあ、私も天下さまも、孫娘の結婚式に出るのが目標ですから、あと最低20年ほどは、元気に生きる予定です。

てだ、結婚式で孫娘の婿さんに「あんたは、どなたじゃな」と言う恐れはありますな。
こんにちはー。

敬老の日・・・私の結婚記念日です(^^;関係ありませんね。

恍惚の人・・・私の父はそうなる前に急に病気で逝ってしまいました。平均寿命云々を考えるとき、早過ぎたと思えるのですが、そういうのも人生ですもんね。

>私は随分腹をたてたが、しょせん「その立場」を経験していない者には「理解不可能」と家内を慰めた。

これは本当にサンサンさんご立派です。
奥様もこの一言でかなり救われたのでしょうね。サンサンさんが奥様にお優しい一面をまたまた垣間見てしまいました(^^)
彩泉さん

こんにちは

コメントありがとうございます。

そうですね。

私は、たぶん「恍惚の人」にはならないでしょう。

やりたいことが一杯ありますし、人と話すことが苦手ではありません。

母は、生家の三河湾佐久島によく行きましたが、大きな田舎の家に一人で行かせるのをとめてから、急速にボケが始まりました。

私たちが、「生きがい」を奪ったからのようでした。

義父は、定年まで「無趣味で友人もいない人」でしたから、これは当然かも知れません。

取引先の社長さんの母親が、よく夜中に出歩き、警察に迎えに行くと「あなたは、どなたじゃな?」と言われ、警察の人からは、本人が知らないという人に、連れてゆかせるわけにはゆかない」と」いわれ、ホトホト困ったとのことでした。

彩泉さんのお爺さんは、まだ意識がはっきりしているようで、心配は少ないのでしょう。

できるだけ、顔を見せてやってください。
(退会済み)
こんにちは

最近祖父のお見舞いにいってきましたが、まるでホームレスのような格好に驚きました。。頭はしっかりしていて自分の病院での検査結果なんかはファイリングしているくらいの几帳面なのですけど、そんなに後30年も40年も生きているわけではないんだろうな~と感じました。。
ちょっと前まで「徘徊」という話も聞きましたけども、最近では素晴らしい「特別擁護老人ホーム」があちこちにできたので全然聞かなくなりました。。でも、中はまるで囚人のような厳重体制なので「これもな~??」と思いました。。
サンサンさんがこのお話しをするにはまだ早くないですか??(^^)
イ-スタ-島のモアイさん

こんばんは

暗いテ-マで心配でしたが、モアイさんの「いつも変わらぬ明るい声」で救われました。

ありがとうございます。

しかし、藤娘さまは「良い旦那さま」を、見つけて幸せですな。

こういう話は天下さまには「内緒」にしとこっと。
ヨッシ-さん

こんばんは。

そうですね。

兄の家では、母を大事に「お客さん扱い」して、1週間ほどで悲鳴をあげて「迎えに来て!」というよなことばかりでした。

普段、一緒にいれば「お各さん扱い」ばかりはできません。

義父の時も同じでしたね。

家内の兄弟も、みんな体裁のいいことばかりしていました。

それでも「私は親の面倒をみた」と言い張る。

いずれ自分もそういう立つ場になるのにに気がつかない。

「私は、人の世話にならない」と元気なときは言うが、現実は「人の世話にならなければ、死ぬこともできない」のですよ。

自戒もこめて、日々を暮らしたいと思います。
サンサンさん

こんばんは

私は、残念ながら「恍惚の人」は、読んでおりません。

高齢化社会と言う言葉が使われて久しくなりますが間もなく私も藤娘さまも間違いなくその中心人物の仲間入りします。

少しでも子供に世話をかけないように私達にできる事は、少しでも早く健康に留意して、またサンサンさんの言われるように趣味などの生き甲斐を見つけて精進するようにしたいと思います。

サンサンさんも天下さんも末永くお元気でお暮らしください。

ここで、なぞかけを一つ・・・

藤娘さまと掛けまして・・・

持ち帰り寿司のショウガと解く・・

その心は・・

いつでも、何処からでも切れます・・

はい。お後がよろしいようで・・・
サンサンさん、こんばんは。

うちも今のところ元気ですが、私の両親とかみさんの両親の問題がリアルに出てきそうですね。今までは仲のよかった兄弟姉妹が親の問題でいきなり犬猿の仲になったり憎しみあうようになったりするのは悲しいですね。でも、それも現実でしょう。ある程度は覚悟しておかないと。
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