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日本株に 1兆円 売り圧力?

★底値を買え でなく、上値を売れ


なんとなく、そんな気もしていましたが、

やはり、現状までの相場が、そうですね。




底値で買え、黄信号 日本株に「1兆円」売り圧力



証券部 富田美緒







2018/2/14 22:19

日本経済新聞 電子版






























 株式市場の動揺が続いている。14日の日経平均株価は取引開始直後に120円強上昇したが、午後には290円以上の下げに転じる場面があった。下値を拾おうとする投資家の行く手を阻むのが、CTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外のヘッジファンドの売りだ。機械的な売りで「二番底」への懸念が強まれば、株価反転には時間がかかる可能性がある。

 「『底値で買え』ではなく『上値で売れ』だ」。米ゴールドマン・サックスの株式トレーディング部門の幹部は先週、顧客の投資家に宛てたメールでこう警告した。変動率上昇による株価の動揺はすぐには終わらず、下げたところで買っても報われないとの意味だ。

 背景には、これまでの低い変動率と株高を前提に、先物の買い持ち高を積み上げてきたCTAへの警戒感がある。まだ売り余力を残しているとみるからだ。

 なぜか。これを理解するには「トレンド追随型」と呼ばれるCTAの行動パターンを知る必要がある。CTAは機械的に相場の基調を判断し、先物を売買する。相場が上昇トレンドに入れば買い、下落トレンドに入れば売りに転じる。

 相場の下落局面では、CTAの売りは複数の段階をたどる。最初はリスク許容量が減った分だけ、「安全運転」で持ち高を減らす。次に上昇トレンドが終わったと判断し、買い持ち高そのものをゼロに近づけていく。そして下落トレンドに転換したと判断すれば、持ち高を売りに傾ける。

 ゴールドマンの推計によると、CTAは2月上旬時点で世界の株式の買い持ち高を2100億ドルまで積み上げていた。急落後の約2週間で900億ドルと半分弱に減ったが、「売りが峠を越すにはもう少しかかる」(ゴールドマン・サックス証券の石橋隆行氏)。

 時価総額の構成比率などから単純計算すると、日本株でも1兆円規模の持ち高が残っていることになる。たとえ相場が今後いったん横ばい基調となっても、上昇トレンドは終わったと判断して持ち高を減らせば、相場に下げ圧力がかかる。

 CTA戦略を手がける、ある海外運用会社は「CTAは中期のトレンドを追うものが多く、下げが始まってから本格的な売りに転じるまで、1~2カ月かかることもある」と語る。過去の日経平均の下げ局面では、こうしたCTAの売りで急落の翌月以降に二番底を付けたこともあった。

 現時点で「金融市場の混乱が実体経済に波及する経路は見当たらない」(ソシエテ・ジェネラルのクラウス・バーダー氏)。ただ機械的な売りが続けば底値買いの機運はかき消される。急落の「余震」が長引くリスクにも目配りする必要がありそうだ。

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