為替の影響

1月26日の日経平均は23631.88(-37.61)小幅安で終わった。日足は、転換線を割り込んだが、基準線の上を保っている。しかしパラボリックは下向きに変わり、MACDは急落、モメンタムはゼロラインを割ってきている。DMIはまだプラスが優勢だがADXが急落していて、ボリンジャーはバンドが狭まっており、転換を示唆している。週足は、基準線、転換線の上で、パラボリックも上向き、MACDもプラスだが、長い上髭がでている。DMIはまだプラスが優勢だが、こちらもボリンジャーはバンドが狭まっている。少なくとも短期では天井形成した可能性があるのではないか。


問題は、為替の方だ。ドル円は108.59(-0.82)だが、日足は基準線、転換線、雲の下で、パラボリックは下向き、MACDもマイナス圏を下降中、モメンタムはマイナス圏で底打ちともみえるが、ボリンジャーバンドはマイナス2σの外にあり、DMIはマイナスが優勢でADXは拡大しており、下降の勢いはまだ強い。週足も基準線転換線の下で雲の下を突き抜けてしまった。MACDはゼロラインを割り込み、モメンタムはマイナス圏を下降中、ボリンジャーバンドはマイナス2σの外にでてきており、DMIはマイナスが優勢でADXは拡大している。ドル円の方は、日足週足ともドル安円高傾向が鮮明だ。


一方日経平均とドル円の相関係数(30日)は、1月に入ってから急低下しマイナス0.72にまで達している。日経平均とドル円の90日の相関係数も急低下しマイナス0.2となっている。実際ドル円と日経平均の動きをグラフで見ると、1月以後、全く反対方向に動いていることが見て取れる。この現象をどう見るべきなのだろうか。輸出企業に軸足を置く日本経済の構造からみて、日経平均とドル円の関係が長期にわたって、負の相関になるということは考えにくい。事実足元のEPSは1524(12月1日)1523(1月26日)と、それほど変わっていないから、為替離れした日経平均の上昇が日本経済のパフォーマンスを反映したものとは言えないであろう。日経平均とダウとの相関係数(90日)が、昨年9月のボトム-0.18から急上昇して現在はプラス0.92をつけていることからみると、この上昇はダウの上昇に引きずられた動きと考えるのが妥当だろう


ダウの方は、10年金利の上昇との相関(30日)が非常に高く、0.92に達していることから、今のところ金利上昇をアメリカ経済の拡大の指標とみて、プラスに反応しているように思われる。アメリカの金利の上昇は、まだ景気を冷やす水準に達していないという判断が働いしているのかもしれないが、金利の上昇は、ある時点で、株式市場にはネガテイブに働き始めるはずだ。もしそうなると、ダウに引っ張られている日本の市場は、本家以上に影響を受けるだろう。この点に警戒が必要だ。一方通常ならアメリカの金利上昇はドル高円安に動いてゆく要因となるはずだが、おそらくマーケットは、中間選挙を控えたトランプ政権のドル安政策、日本欧州の超金融緩和の終わりという将来の動きを予想して織り込みつつあり、この予測が大きく変わらないと当面は円高の方向に動き続ける可能性が強そうだ。もし想定為替レートの110円あたりを大きく割り込み始めれば、ダウが崩れなくても、ダウの後にくっついていた日経平均の足元がゆらぐだろう。もしそうなれば昨年の9月の108円の水準に対応した-2万円前後までは調整する可能性があり、万が一それを為替が割り込めば、さらなる調整も考えられよう。


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