自転車の販売が好調に推移しています。ガソリン高に対抗して、節約するため、クルマから自転車に乗り換える人が増えているようです。自転車といえば、中国などで大量生産された、1台1万円ほどの安いものが主流でしたが、最近は10万円前後のより高価な「電動アシスト自転車」の売れ行きが伸びています。以前とは違い、自転車メーカーはもうかる業態になってきたのです。
電動アシストのトップメーカーはヤマハ発動機(7272)、パナソニックサイクルテック(未上場、松下電器産業<6752>関連会社)、ブリヂストンサイクル(未上場、ブリヂストン<5108>関連会社)。さらに、三洋電機(6764)が参入してきました。三洋電機の新車種は、走行しながら充電できる技術を備えています。トヨタ自動車の「プリウス」と同じ原理で蓄電する、いわば「ハイブリッド自転車」。今までにないまったく新しい機能であり、今後の自転車市場を盛り上げるでしょう。
三洋電機は携帯電話事業の売却を進めるなどして経営を再建中ですが、電池に関しては他社の追随を許さず、確固たる地位を築いています。資源高、エコ社会、高齢化を見据えれば、電動アシスト自転車市場は今後も有望。電池に非常に強い三洋電機が、投資を増やすこともありえます。
ところが、これまで普通の自転車を製造してこなかった三洋電機には、自転車販売の7割を占める自転車販売店と付き合いが薄い。そこで新家工業(7305)や宮田工業(東証2部、7301)といった自転車メーカーか、あさひ(3333)のような販売店と提携して、販売ルートを確保したい、という欲求があるはずです。自転車関連銘柄はこれまで注目を集めることは少なく、概して株価が安い。これから再編の可能性があると思います。
電動アシスト以外にも、現在は禁止されている「三人乗り自転車」が認可される可能性があると報じられています。長らく斜陽産業とみなされていた自転車メーカーや販売業の将来は、なかなか明るいのではないでしょうか。先を見据えて、これから市場が拡大するところに投資していくのが賢いと思います。
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確かに三洋電機は、燃料電池やHVで独フォルクスワーゲンと組み将来性は明るいが、株価はそんなに動かないだろう。
新家工業、宮田工業は合併・買収は可能性あるので注目してもいいかもしれない。