「医療機器の販売及び貸与営業所管理者講習会」へ行けと、
お達しがあった。
当日午前10時厳守となっている。
バカにならない講習費用を払ってもらっているので、
これは失敗できないと思い、
新宿で宿を確保しておいた。
前日遅番だったので、店を午後10:30に車で出発。
「新宿セブン」にある某ホテルに午前零時着。
フロントに、「新宿ゴールデン街って、どこ?」と訊き、
即刻飲みに行く。
「ちょっと外れると、そこは歌舞伎町だから気を付けてください」
などと、フロントの兄さんはなかなか優しい。
さて、どこで飲もうかと、ゴールデン街を一巡するや否や、
声がした。
「ちょっと、ちょっと、そこの可愛い顔したお兄さん!」
ビックリして隣をみると、
イケメンの男と連れの若い女がキョトンとして、声のかかった方見ているのだった。
てっきりそのカップルに声がかかったのだろうと思っていたら、
その声の主は、カップルの前を素通りして、
いきなりオイラの●×をまさぐるのだった。
「さぁ、行くわよ」
って、どこへ行くんだなどと思っていると、
もう何となく、オイラの腕を組んで歌舞伎町方面へ歩いている。
その声の主は、養老孟司にいわせれば、
骨格上、男が女の化粧をした類いの人類、
もしくは、女なのだけど、どーしてもそういう類いに見えてしまう人類、
のいずれかに当てはまるような感じのヒトなのだった。
10分程度歩いただろうか、
そのいずれかに当てはまるような感じのヒトに連れられてきた店の名前は、
こじんまりとしたビルの一角にある「水天宮」といった。
そういえば、桜庭一樹は新宿に住んでいたことがあって、
極真空手をやっていたんだなぁ、と朧気に思ったりして、
もしも、ぼったくりバーだったら、思い切り暴れてやろうと思っていた。
明日は早いので、ゆっくりできないなどと言いつつ、
急速飽和療法的に、アルコールを喉に流し込んだ。
その店は、いずれかに当てはまるような感じのヒトと、
フィリピン人女性と共同経営しているという。
この間まで、ゴールデン街で商売していたという。
てっきりオカマバーかと思っていたら、
フィリピン・韓国・おそらく日本人の綺麗どころがいる、
なかなかオモロイ店なのだった。
IT談合と、小説家どもの話をしてやった。
もちろん、みんな話半分の体で聴いている。
「イマジン」を歌った。
若いフィリピン人に、「似てる~」とウケた。
この娘は、ちょいと可愛い。
また、来よう。
*
翌朝、目覚めると、すでに10:20になっている。
やっちまったと思うが、ダメ元で会場に向かう。
酒臭い息で「せっかく宿とったのに体調が悪くて」
などと適当を言ったら、すんなり、まだ間にあうから受講しろと許可が出た。
専門家の話は、ちゃんと聴いているとなかなか深くてオモロイ。
講師のうちの一人は、オイラに受講を認めてくれた男で、
その風貌は、日銀の黒田総裁に似ている。
養老孟司的なトピックスを語るので、
オモロクって、真面目にメモをとった。
PS:「イマジン」をオイラがよく歌うのは、
中学同期だったKというオモロイ女へのレクイエムで歌っている。
奴は、自殺してしまった。
ジョン・レノンに夢中な女だった。
レノンが殺された日から、数ヶ月間蒸発した。
「赤ん坊を見ていると、首を絞めたくならないか」などという女だった。
けれど、呆れるぐらい秀才だった。
他にもトピックスがあるのだが、
桜庭一樹は、この話を知っている。
だから、作品の中で「イマジン」をフルコーラスで歌った。
「ピーポー、ピーポー」などと書いていた。
まったく。。