DトレーダーMさんのブログ
私設知恵ノート9「空売りを使う8つのメリット」
私は信用取引も使って、機敏にトレードするのが好きなタイプです。それは自分が、インカム長期投資型トレーダーではなく、キャピタル短期投機型トレーダーだからです。信用を使うとトレードの幅も注文の幅も、多様性も出てくるので有利です。
ただし私は、株をするならば、基本的にはロング(新規買い)メインが有利と思っています。なぜならば、株はロングの方が手数料や金利の点でもロング側のファクターが強いと思うからです。しかし、日経225指数のような、ダウやFTSEと比べてボラタイルな銘柄であれば乱高下するので、投機的なトレーダーであれば、ショート(売り仕掛け)も必須と思います。
信用取引でショート(空売り)を使う8つのメリット
私は、ロング(新規買い)メインの人であっても、信用取引を使ってショート(売り)を加える事で、8つのメリットがあると思っています。
1、リスクヘッジとなる。
コストの良いレートで建てた玉を残しつつ、一時的な下げ局面に対応するためにも、ヘッジショートは有効です。コストの良いレートで建てた玉をすぐに決済し、エントリーイグジットを繰り返すと、見た目の調達コストが上がります。それがメンタルに良くない。トレードはメンタル勝負なので、ショートでヘッジしつつコストの良い玉をじっくり残すことは、長期的なトレンドを息長く追いかけるためにも、成功しやすい良いやり方です。「恩株(おんかぶ・調達コストの良い玉の事)を売るな」という格言もあります。
2、売りへの抵抗感がなくなる
信用でいつもショートしていると、ショートへの抵抗感が無くなるので、決済売りが機敏になるという、メンタル面での良さがあると思います。バイ&ホールドの人だと、メンタル面から決済売りに躊躇して、損切が遅れたり、決済すべき場面(レートが高値で、かつテクニカル上の節目にありオシレーターがダイバージェンスして売りサインを出しているような場合など)がわ解らず、また躊躇して決済できず、儲かっていた分を吐き出すという結果になる場合も多いでしょう。
3、天井を見極める目を持つことが出来る。
売り目線を常に持つことで、天井を見極める目を持つことが出来ます。ショートを自分のトレードに加えることで、トレードの技術も上達しやすいと思います。「どこで売ってやろうか」という見方が出来ると、買いから入った場合でも売られやすいチャートの形状や天井のサインが何であるかが実感として解るようになります。売るべき局面とは何か。がより早く解るようになるので、テクニカル判断の上達につながります。
4、下げトレンドでも収益を得ることが出来る。
ロングのみの人だと、下げ局面では、全体相場の悪い中でも買われている銘柄を探すか、しばらく相場を休むか。になると思います。ショートを取り入れると、下げ相場も利益にすることが可能です。収益機会が増える代わりに、損失を被る機会も増えるので要注意です。
5、勝負勘を維持できる。
上昇、下落共に相場にかかわる事で、勝負勘を維持できます。相場は離れるとダメ。とよく言います。勘が鈍るからです。アベノミクスのような長い上昇相場のあとは、長めの下落相場が来ます。相場は上げ下げの波を繰り返す物なので、一方的に上げ続ける相場も、その逆もないからです。下げトレンドで相場に参加しない。となると、どうしても相場の見方が甘くなります。自分がポジション(建て玉)を、持っていないと本気の見方が出来ないので、勘も鈍ってくるでしょう。もっとも「岡目八目」と言って、ノーポジの方が冷静な見方を出来るという意見もありますが。
6、建て玉操作が上手になる。
下げ局面は難しいです。「上昇1000日下げ三日。」という格言もあるくらいで、下げはスピードが早いからです。それに対応するためには、ロングのみの人よりも、よりテクニカルで高度な建て玉操作やテクニカル分析が必要になります。必要に駆られて多くの勉強をしなければなりません。最初は失敗も多いでしょうけれど、多く勉強をするので、より上達します。
7、売る人の心理と事情が分かるようになる。
ショートを持つようになると、ショートの人ならどう考えて、どこで売ってどこで買い戻すのか。テクニカル上の節目はどのレートなのか、をよく考えるようになります。また、ショートならではの事情も実感として解ります。逆日歩が付くこと。配当分が取られる事。限月がある事、追証が掛かる事、などの縛りをどうやりくりしていくか、を覚える事で、自分が買い方の時にも、受給とそれに伴うカバー(ロングカバー・ショートカバー発生の要因)の関係をより考えるようになります。値動きを総合的に予測する手助けになるでしょう。
8、トレンドの発生から終了までの一連のチャートの流れを理解できる。
トレンドが発生すると、エリオット波動でいう所の、第1波から始まり、2波で押しを付け、3波で大きく上昇。4波の押し、5波で最後の上昇。そして、A波で下落、B波で調整、C波がそのまま下落の3波と変わり、次のトレンドへと引き継いでいく。という一連の流れが起こります。トレンドが生まれて、それが死に、また新しいトレンドが生まれていく。という延々くりかえす、チャートの流れです。ロングのみならず、ショートを持って、下げ局面も一貫してチャートを追いかける事で、トレンドの一連の流れと相場の誕生から死亡までの流れとそのチャートを、実感を持って頭に入れる事が出来ます。そうやって、トレンドという物はどう派生して、どう亡くなっていくのか。が解ると、ロングでの仕掛け時や決済時が、これからの値動きの予測が、より明確に解りますし、ショートでの仕掛け時、引き時も解りやすくなってきます。
まとめ
他にも良さはあるかもしれませんが、ショートを加える事で、収益機会が増えます。ただし、損失を被る機会もその分増えますので、その点が注意です。
ショートは難しいので、下手すると買ってヤラレ売ってヤラレになりかねません。ドタバタしないほうが儲かるという事もありますしね。なので、テクニカルをしっかり学ぶことがカギとなります。テクニカルをマスターしている上級者向けと言えるでしょう。
自分がインカムでいくのかキャピタルでいくのか、最初にしっかり決める事が大事です。
※この記事は、2016年5月にヤフー知恵ノートに書いた、記事のコピーです。
知恵ノート閉鎖に伴い、こちらへ移転しました。
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