楽天証券のアンケート調査によると、今年前半の個人投資家収支は6割がプラスで
損をした人はおよそ2割という結果でした。
個人投資家の勝率は本来1割程度と言われているだけに
6割という数字は驚異的だと思います。
(関連資料)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/others/survey/0039.html
主な理由として考えられるのは
トランプラリーの余韻(NY株高)や好調な企業決算ですが
年後半は前者の剥落や欧米の金融政策(引き締め方向へ)などが
需給面で株価を圧迫する可能性があり
個人投資家が前半の様な好成績を上げるのはかなり難しいだろうと考えています。
因みに前半で損をした2割の個人は
恐らく北朝鮮問題などの地政学的リスクや、EU主要国の選挙に対する警戒感から
株価が急落した際に安く売らされたのではないかと推察しています。
<2017年後半の株価と円相場に関するアンケート調査の結果>
関連資料にある通り、個人投資家による年後半の相場予測は
日経平均➡18000円~23000円、ドル円➡100円~125円という結果ですが
日経平均22000円以上と答えた人はドル円120円以上を
18000円と答えた人は105円以下を想定していると思います。
ただ予想レンジが広いので、あまり参考になりそうにはありませんが
ドル円が120円以上になるには米長期金利が3%を超える必要があると言われており
イエレン議長のハト派的な議会証言から察すると
ややハードルが高い様な気がします。
またトランプ大統領が貿易収支や為替問題に言及し日本叩きが再燃すれば
日米金利差に逆行して円高に振れる可能性も大いに有り得ると思います。
一方日経平均は国内政治の安定や欧米の金融政策がkeyになるため
現状ではかなり不透明だと言わざるを得ません。
しかし欧米が金融引き締めへと向かう中で
株式市場が何時リスクオフに転換してもいい様に
年後半は余裕資金の確保やヘッジがより重要になると考えています。
<2017年後半の留意点>
〇前半で儲けた人は利益を減らさないため新たな投資は慎重に!
key word➡
銘柄選択・細目な利確・買い付け余力50%以上保持が無難・リスクヘッジ
〇前半で損をした人は損失を取り返そうとして焦らないこと!
key word➡
一発勝負は厳禁・大勝負やポジションの偏りは危険・衝動買いは禁物
買い付け余力50%保持を厳守・リスクヘッジ
〇外部要因や外交問題を注視して置くこと!
key word➡
日米金利差・FRB要人の発言・ECB要人の発言・トランプ発言(特に外交)
北朝鮮問題・日米及び中露韓の関係(方向性)・日米の景気対策
日米リーダーの支持率・ドイツ議会選挙(9月24日)
〇ヘッジファンドの動きに注意!(念の為です)
彼等は金融政策・政治の停滞・地政学的リスク等に乗じて介入し
東京市場は一番のお得意様です。
従って不自然な「円高・株安」が突然起った時は
ヘッジを強化するか、ポジションを落とすなどして様子を見るのが賢明です。
今年前半個人投資家のパフォーマンスは極めて良好でしたが
主な要因は地合いに恵まれたためであり、後半は真の実力が試されると思います。
特に欧米が金融引き締めへ動くことで「低金利による株高時代」は終わり
今後は勝ち組の企業を見抜くことが勝利の方程式になると考えています。
<当面の狙い目>
〇増収増益率の総合トップは「鉄鋼」
営業増益率トップは「電気機器」だが来期は大幅な減益が予想されている
〇増収率上位は鉄鋼に続き「非鉄金属」「不動産」「ゴム製品」など
〇増益率上位は電気機器・鉄鋼に続き「その他金融」「ガラス土石」の順
〇ハイテク関連は「半導体」の好調が見込まれる反面「FPD」は頭打ちの可能性
〇材料株としては引き続き「IoT・ビッグデータ・AI関連」が本命か?
中でも複数の材料に関わる銘柄は人気化する可能性が高いと思われる
フィンテック関連はビットコインの値動きが荒いため乱高下に注意したい
https://jp.investing.com/currencies/btc-jpy