☠チベットの死者の書を讀む第10日目
【10日間のスタディのまとめ。】
死のプロセス・・・・・これには、二つの溶解がある。ひとつめは、肉体の溶解。肉体は、五大元素へと溶解してゆく。二つ目は、精神の溶解。思考、記憶、感覚が溶解してゆく。
やがて死の瞬間が来る。
むかし、図書館で借りて讀んだ「死ぬ瞬間」キューブラー・ロス著で述べてあるのは、ここまで。
ロス女史は、クリスチャンもしくはユダヤ人だったのだろうか。とくに後者の場合、死後の世界は、なひ。
再生the revivalは、起こらなひ。
第1のバルドー(中有)・・・・リクパ(明知)の強烈な光が立ち、至福の時が訪れる。
うちの近くにお住まいだった大脳生理学者の故大木幸介先生は、「死に際して脳が大量の快楽物質ドーパミンを出すという御話しをされた」のを憶えています。
たしかボクが、航空機事故なんどで死んだりしたら、「先生いったい、どんな気持ちになるのでしょうか?」。
といった世間話に、とても熱心に答えてくれたのを憶えています。
火災保険の切り替えのときに。ボクなんて一介の保険屋にすぎなかったのになぁ。・・・・・・・合掌礼拝。
このとき、不生のリクパの光に意識(≒魂)を没入できるかどうかが、要点で、それができれば、輪廻の輪から解脱できるとチベット仏教は教えます。
このリクパを主宰する佛は、阿弥陀如来です。
浄土真宗の家に生まれたボクには、このリクパが、浄土に思ゑて仕方ありません。
またそもそも、このリクパがおこらず暗黒のマリクパ(不明知)に、落ちてゆく意識もある。よくよくの悪業をなしたる魂だらふ。
第2のバルドー・・・・・第1のステージで、解脱できなかった意識は、つぎなるバルドーへと、はいります。寂静尊と憤怒尊、ホトケや神々の織り成す原色の曼荼羅秘密会の世界であります。
お后と和やかに和合してゐる寂静尊は、慈悲の御力で意識を解脱させやふとします。
目を怒らせ、牙をむき、人を喰らふ憤怒尊は、怒りのちからで意識を解脱させやふとします。
このホトケとカミのマンダラは、5回くりかえされます。
そして、このマンダラは、實は、意識の見る夢なのです。
そうと悟れれば、いまだ解脱は可能です。
大體(だひたひ)死後21日目のステージと死者の書には記述されています。
ところがところが、解脱の可能性は、これまでで、解脱できなかった意識は、いよいよ最後の転生のバルドーに入ってゆきます。
続く
OM AH HUM VAJRA PADMA SIDDHI HUM
チベット小呪
(オーン アー フーン ヴェンザ グル ペマ シッデイ フーン)
第10日目おはり