1.下顎の第二小臼歯は舌側に倒れこみやすい
下顎の第二小臼歯は乳歯との生え変わる順番や、乳歯が虫歯で早期に失われると生えてくる隙間がなくなり、内側に押し出されるように出てきます。
治療法
小臼歯の生える隙間を確保するために、下の前歯にでこぼこがある場合は子供の時から矯正治療をして、顎を大きくする必要があります。また、乳歯が早期に無くなってしまった場合は6歳臼歯が手前に倒れ込まないように、隙間を確保しておく必要があります。大人の方は抜歯をするか、部分矯正で動かす場合もあります。
2.上顎の第二小臼歯は歯茎の中に埋まって出てこないことがある
上顎の第二小臼歯は歯の種である歯胚(しはい)の位置がずれ、歯茎の中に埋まったまま出てこないことがあります。そのままにしておくと歯茎が腫れたり、周りの骨を溶かしてしまうことがあります。
対応策
歯が生える隙間があるようであれば部分矯正によって歯を歯茎の中から引き上げます。
3.第二小臼歯は先天性欠損になっていることがある
第二小臼歯は歯自体が完全に無い先天性欠如になっている場合があります。乳歯がなかなか抜けてこない場合は永久歯があるかレントゲンで確認する必要があります。
治療法
交換しなかった乳歯は20歳ぐらいになると根が溶けて抜けてしまう場合があります。人によっては40歳ぐらいまで残っている場合もあります。10代20代の場合は矯正治療を行い、抜けない乳歯を抜歯して、奥の永久歯を手前に移動させて、歯並びを揃えます。30歳以降であれば乳歯を使えるところまで使い、その後にインプラントかブリッジの治療を行います。(超音波スケーラー)
4.小臼歯に中心結節ができやすい
中心結節とは主に小臼歯の噛む部分に出べそのような突起になっていることです。中心結節は折れやすいのですが、神経の管も入り込んでいて、折れてしまうと小臼歯の神経が死んでしまうことがあります。特に生えたての小臼歯に起こりやすく、小学校高学年くらいです。中心結節が折れて根の中に細菌が感染すると、歯茎や場合によっては顔まで腫れてしまうことがあります。
治療法
中心結節が折れていなければ周りをプラスチックでコーティングし、折れないようにします。また、根の中に感染してしまった場合は歯の根の治療を行います。歯の根がまだ完全に完成していないことが多く、歯の根ができるように誘導しながら根の治療を行う必要があります。
5.小臼歯は矯正で抜歯することが多い
歯並びが悪かったり、八重歯がある場合は小臼歯を抜歯して歯列矯正を行うことがあります。特に上顎は歯が生えてくる順番によって犬歯が八重歯のようになってしまいます。しかし、犬歯は1本しかなく噛み合わせを横に動かす時に重要な歯です。そのため犬歯ではなく、2本ある小臼歯の1本を抜歯して歯並びを治すことが多いのです。
治療法
歯列矯正の診断によって抜歯が必要な場合には、抜歯をした方が歯並びが戻らず安定します。無理に抜歯をせず歯列矯正を行うと歯並びが戻ってしまったり、歯の神経が死んでしまったり、歯茎が下がりやすくなってしまいます。(歯科治療器具)
6.知覚過敏になりやすい
小臼歯は歯がしみる知覚過敏になりやすい歯です。知覚過敏は歯ぎしりや歯茎下がりが原因で起こります。小臼歯は顎のカーブの部分にあり、顎を横に動かした時に力がかかりやすい部分です。そのため知覚過敏が起こります。
治療法
顎を横に動かす時の支点は犬歯になるように噛み合わせを歯列矯正などで治療します。矯正治療ができない場合は小臼歯に強い力がかからないようにマウスピースで保護します。
7.大臼歯がなくなると小臼歯の寿命が短くなる
人間の噛む力は奥歯で60kg程度になります。そのため大臼歯は歯の根が太く、根の数は2、3本あります。大臼歯を失ってしまうと今まで奥歯で支えられていた力が、小臼歯にかかります。小臼歯の根は大臼歯より少なく、根の数は1、2本で、奥歯の強い力を支えることができないため、負担過重になり小臼歯の寿命が短くなってしまいます。
治療法
小臼歯の寿命をのばすには大臼歯に今までかかったいた負担を負うことのできるインプラント治療が必要です。インプラントは大臼歯の90%程度噛む力を負担することができます。しかし、入れ歯にした場合、小臼歯に入れ歯のフックや噛む負担が全て小臼歯にかかるので小臼歯の寿命は短くなってしまいます。