4月21日の日経平均は18620.75(+190.26)。窓を開けて反発した形になってはいるが日足は下向きの転換線18496を上に抜け、パラボリックは上向きに転換したものの、雲の下、下向きの基準線18921の下にあり、まだ自律反発の範囲をでないのではないかと思われる。MACDは上がってきているが、まだマイナス、モメンタムも上がってきているがまだマイナス、DMIもADXが落ちてきているが、マイナスDIが優勢。週足は雲の上基準線の上だが、下降する転換線18984の下で、パラボリックは下降のままでMACDはマイナス、モメンタムもマイナスで下降。基準線17942へ向かう下げ方向である。週足のトレンド指標は下降一貫で、日足のレベルでも、基準線18921、25日線18831あたりを越えてこないと局面転換とはまだ言い難いのではないか。
ドル円は22日6時109.10(-0.20)チャートはより厳しく、日足は下降する転換線109.53の下まできており、下降するパラボリックのすぐ下まで迫っているものの、雲の下、下降する基準線110.81の下、MACDは上がってきているがマイナス、モメンタムも同様にマイナス、DMIはマイナスDIが上でADXはむしろ上昇しておりトレンド系はみな下降。週足は雲の中、基準線109.92の下にあって、パラボリックは下降、MACDはマイナスを下降、モメンタムもゼロラインに接近、DMIはマイナスDIが上であって、基準線の下にあって明確な下降トレンドである。
ドル円に比べて日本株はかなり形が良い。これは、公的な資金の買い支えや企業業績への期待があるのであろうか。為替の方はG20でドル高牽制の動きがなかったということで多少戻しているものの、アメリカの外国為替の報告では円は20%安いと明記されており、他方ではアメリカの景気指標は今一つさえず、10年国債の金利は3月の2.62をピークに2.24まで落ちてきており、日米金利差からみてもドル安に向かう方向になっている。ドル安円高方向が変わらず108あたりを割ってくるとすれば、これを想定レートとしている輸出企業の業績も悪化を余儀なくされていくだろうから、為替がボトムをつけてはっきりと反発してこないと、なかなか株も上値は追いにくそうだ。
だが、こうし経済的な要因だけではなく、地政学的リスクが絡んでいるのでさらに事態が読みにくくなっている。フランス大統領選の最終的な行方は分からないが、EUの将来にかなり暗雲がかかっているのは間違いがない。一方北朝鮮は、核実験を強行する姿勢を変えていないようだ。真偽のほどはわからないが、中国にそれを通告したとか、有事に備えて中露の軍に動きがあるとかといった噂が飛び交い、カールビンソンが間もなく日本海に入るだけではなく、16隻のイージス艦や相当数の潜水艦も日本海に配備されているといった情報も流れている。常識的に考えれば、シリアと違って、軍事独裁国家である北朝鮮の長年の核開発を数十発のミサイルで終わらせるのは困難であり、全面戦争を覚悟しない限りアメリカは本格的な軍事行動を起こすことはできないはずだ。だが、北朝鮮が核実験に踏み切った場合、ここまで脅しているとトランプも何もしないわけにもゆかないだろう。それでは腰砕けになったオバマと同類になってしまうからだ。とすれば、北が核実験に踏み切れば、限定的な軍事作戦に打って出る危険はやはり無視できない。それが思わぬエスカレーションに発展するという危惧もゼロではない。こうしたきな臭い緊張状況が続けば、リスクを嫌うの投資資金が手じまって結果として円高に弾みがつくようにも思われる。逆に何らかの解決が見えてくれば、一気に逆回転するかもしれないが。