円高、地政学リスク、4日続落

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -138.61 @20,453.25, NASDAQ -31.01 @5,805.15)。ドル円為替レートは109円台前半から108円台後半の円高方向で推移した。本日の日本株全般は続落した。東証1部では、上昇銘柄数が359に対して、下落銘柄数は1,559となった。騰落レシオは69.07%となり、遂に70%を割り込んだ。東証1部の売買代金は2兆247億円。

TOPIX -9 @1,459
日経平均 -91円 @18,336円

TOPIXも日経平均も4日続落した。株価指数オプション4月物のSQ算出に伴う現物株の取引が大幅な買い越しとなり、日経平均は100円超プラスで始まった。だが、この要因が一巡すると下げに転じた。米国など海外市場がイースターの休暇に入ったことで海外勢の参加が減ったほか、米軍のアフガニスタン空爆や北朝鮮情勢の緊迫化といった地政学的リスクの高まりや米政権の経済政策を巡る不透明感が相場の足を引っ張った。14時過ぎに北朝鮮の外務省次官の「米国が選ぶなら我々は戦争に向かう」との発言が外電で伝わると、朝鮮半島を巡る警戒感が一段と高まった。

円相場が、大企業製造業の想定為替レート1ドル=108円43銭(2017年度)を上回る円高となれば、企業業績見通しが根底から変わり、増益見通しから減益見通しへ変わる企業も出てくるだろう。仮に、増益見通しが後退し、2017年3月期比で予想EPSが変わらないとし、成長率が内閣府発表の潜在成長率程度(0.8%)しか見込めないとマーケットが信じると、日経平均株価はいくらになるか計算してみよう。http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/getsurei-index.html
株主資本コストは8%とする。予想EPS=1,200円、予想PER=1/(0.08-0.008)=13.89倍。したがって、1,200X13.89=16,668円となる。期待成長率をどの程度と見積もるか次第で、18,000割れどころか17,000円割れまでありうる。そこまで下げるとは思えないが、もし、米朝が戦争を始めれば、一時的には大暴落することも想定しておかなかればならないだろう。

4月17日(月)からの相場では円高が止まるかどうかがポイントになる。また、4月20日から2017年3月期企業の決算発表がスタートする。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、パルプ・紙(2位)、水産・農林(3位)、鉱業(4位)、繊維製品(5位)となった。


1件のコメントがあります
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小督さん
こんにちは

予想PERってこのようにして計算するのですね
優利加さんのブログは勉強になります。

ありがとうございます
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