日本市場は鈍感すぎるのでは?

優利加さん
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昨日の米国株式相場は小幅安となった(DJIA -6.85 @20,656.10, NASDAQ -1.14 @5,877.81)。ドル円為替レートは111円台前半の円安方向での推移。本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,405に対して、下落銘柄数は504となった。騰落レシオは83.81%となった。東証1部の売買代金は1兆9299億円。

TOPIX +10 @1,500
日経平均 +133円 18,798円

米長期金利の上昇を背景に円相場が一時1ドル=111円台半ばまで円安が進んだ。これを、好感してTOPIXも日経平均も上昇した。日経平均は前週に週間で200円超下げ、年初来安値を更新していたため自律反発狙いの買いも入りやすかったので、上げ幅は一時180円を超えた。

前週末に米国がシリアにミサイル攻撃を実施し、米朝関係の緊張感も高まっている。さらに、エジプトでは4月9日にキリスト教の一派、コプト教の教会で相次ぎ爆発事件が発生した。地政学リスクへの警戒感は高まっており、上値を追う動きは限られた。だが、有事の円高、地政学的リスクで日本株安に振れるかと身構えていたら、意外にも今日の東京市場は円安・株高になっていた。米国雇用統計では、非農業部門の新規雇用者数は予想を大幅に下回った。しかし、失業率と平均時給の改善傾向が評価され、全体として良い雇用統計と評価された。結果として、6月の米利上げに追い風となると解釈されたようだ。これが円安・ドル高をもたらした。つまり、市場変動要因としては、地政学的リスクより米金融政策のほうが勝ったことになる。シリア空爆という緊迫したイベントが勃発しても、米国債も円もと金もいずれも売られ「安全資産への逃避」が起こらなかった。トランプ政権は単独行動も辞さない構えで、原子力空母艦隊を仕向け朝鮮半島情勢も緊迫してきた。日本市場は鈍感すぎるような気がするのだか。

33業種中27業種が上昇した。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、銀行(2位)、その他金融(3位)、非鉄金属(4位)、金属製品(5位)となった。


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