木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】ロシア、株・通貨下落

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

●東鉄の動き

5月末に韓国を訪問した際、
現代製鉄という東鉄と同様の電炉メーカーは、
しきりに東鉄の動きを気にしていました。

木下さんは日本の東鉄をどう判断しているのですか?、と。
逆に質問を受けたのですが、
真っ先に出てきた質問が「値上げ」について。

もちろん、当時はまだ資源価格が上昇すると考えていたので、
「値上げしていくと予想しています」と答えましたが、、、

ここ数ヶ月の資源価格は、
相当早いスピードで動いていると感じずにはいられません。


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

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【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】
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1.ロシア、株・通貨下落

2.東証、上場投信伸び悩み

3.「東鉄旋風」業界波立つ

http://www.terunobu-kinoshita.com/20080822-toushinou.pdf

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1.ロシア、株・通貨下落

(出所)2008年8月22日付日本経済新聞朝刊1面

 ●グルジア紛争がロシア株を下落させている
 ●プーチン首相の発言も株価を冷やす遠因に
 ●各国別に分析をし、国ごとの投資戦略を検討する時代に

グルジア紛争を受けてロシアから資金流出が加速している。
主要株価指数RTSは紛争前に比べて一時8.5%下落し、
年初からの下落率は27%に達した。
通貨ルーブルも対ドルで下落しており、
外国投資家による資金引き揚げが鮮明となった。
資源高を背景に活況に沸くロシアだが、
市場関係者の間では先行き不透明感が強まっている。

元々ロシアではプーチン首相が7月に鉄鋼・石炭会社の経営を
批判したことなどで市場経済路線に対する不安が広がり、
これに紛争が追い打ちをかける格好となった。

ただし、事業会社の戦略としては、
例えば日本企業では「ロシア戦略に変更はない」(トヨタ自動車)と
事業を見直す動きは見られない。
ロシアのこれからの経済発展を考えれば、
内需は盛り上がることは間違いない。
事業会社の戦略としては当然だろう。
一方で、ホンダのようにリスクがあるため、
ロシアで工場を設立するなど
本格的な投資をしていなかった企業もある。
どちらの戦略が奏功するかを判断するのは、もう数年かかるだろう。

いずれにせよ、BRICsなど新興国は経済成長が続くが
株価は下落するという事態に見舞われている。
それはそうだ。
そもそも経済成長率が高いから
株価が上がるという発想自体が間違っている。
中国は、もっと昔の方が成長率は高かった。
それでも当時は株価は上がらなかった。
一方、ブラジルは経済成長率が低かったが急騰を演じた。

今はまだBRICsやVISTAなど一括りで語られることが多い新興市場。
しかし、これからは各国別に考えていかなければ見誤ることになる。
現時点では私は最も早く反転する可能性は中国ではないか、と考えている。


2.東証、上場投信伸び悩み

(出所)2008年8月22日付日本経済新聞朝刊4面

 ●東証においてETFが伸び悩み
 ●便利な商品であるが、日本市場で買う必要はない
 ●日本の金融市場は地盤沈下している

東京証券取引所で上場投資信託(ETF)の売買が伸び悩んでいる。
東証はETFを戦略分野と位置づけ、
金価格や新興国の株価指数に連動する新商品を相次ぎ投入したものの、
今年1ー7月の売買代金(ドル換算ベース)は前年同期に比べ3.3%減少。
世界の主要取引所の中で売買代金は16位に後退した。

ETFは上場株式と同様に価格がリアルタイムで変動し、
手数料は一般的な投信よりも低い。
2000年以降、世界的に取引が活発になり、
東証でも01年7月から本格的に売買が始まった。

ただ取引は伸び悩んでいる。
今年1ー7月の売買代金は多い月でも2000億円台で、
05年12月の5000億円弱に遠く及ばない。
ETFの商品内容や利点が投資家の間でまだ十分知られていないうえ、
株価低迷で投資を手控える傾向が強いためだ。
新たに上場した銘柄の中には取引がほとんどないものもある。

これは仕方が無いことだろう。
ETFが上場しているとは言っても、
米NY証券取引所に上場しているものと同じであり、
目新しさがあるわけではない。
普通のビジネスと同じだ。
他社がすでに牙城を築いている市場で
同じものをだしても勝ち目があるわけがない。

現在の日本の金融の実力はこの程度のものなのだ。
私たちは世界の投資家に比べ、
圧倒的に不利な立場で投資を行っている。
早い人はすでに海外への投資を本格化させている。
日本の市場に合わせる必要は全くない。


3.「東鉄旋風」業界波立つ

(出所)2008年8月22日付日経産業新聞24面

 ●電炉最大手の東京製鉄が鋼材価格の値下げに動く
 ●東鉄の判断が与える影響を、業界は固唾をのんで見守っている
 ●高炉にまで波及するだろう

電炉最大手の東京製鉄が
鋼材価格の値下げに動いたことは先日述べた通りだ。
需要減を主な理由に
9月契約分の鋼材価格を最大11%引き下げると表明。
代表的な建築用鋼材で業界最大手のH形鋼は2年10カ月ぶり、
全品種の値下げは3年2カ月ぶりとなる。
上昇一辺倒だった鋼材価格がようやく一服した格好だ。
しかし、これには業界から驚きの声が上がっている。

というのは、7月までの鉄スクラップの価格高騰が、
東鉄を苦しめ続けていたからだ。
08年4―6月期単独決算は、
営業損益が4億7700万円の赤字(前年同期は85億円の黒字)に転落。
09年3月期の業績見通しも下方修正した。
鉄スクラップ価格の上昇が販売価格に追いつかなかったからだ。
ようやく鉄スクラップ価格が下落したのだから利益確保に動く。
そう考えられていたのだろう。

今後のポイントは、高炉が圧倒的なシェアを占め、
特定顧客向け「ひも付き」取引が大半の自動車や厚板など
高級鋼材の価格がどう動くかという点だろう。
「影響は避けられなくなるだろう」(業界関係者)との見方も強く、
資源を持つ川上にあった付加価値が、自動車や家電、造船などの
川下に移転する可能性が高まりつつある。

資源価格の上昇は、多くの国々を苦しめた。
結果として、それは資源国の首をも絞めることになってしまった。
原油価格で言えば居心地のいい水準
(私は1バレル当たり80ドル前後と考えているが)
にまで落ちていくのではないか。
東鉄の経営判断から、私はそう読み取っている。


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