書籍名: 世界天才紀行 ~ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで~
著者:エリック・ワイナー
定価:2600円+税
出版:早川書房
まず始めに、この本はあなたにとって直接ためになる事が書かれていないかもしれない。
だがもしも、「私は天才だ!」と思うなら。
…いや、そんなメンタルの持ち主は日本には少ないか。
「うちの子を天才に…」と思うのであれば、ちょっと手にとって数ページ目を通してみよう。
著者があなたを天才の地に誘い、
天才たちを追って様々な時代に導いてくれるはずだ。
古代ギリシャのアテネ。
ルネサンスのフィレンツェ。
そして現代、ITの中心地、シリコンバレー。
おおっと、アジアの街も登場だ。
杭州にカルカッタ。
(あれ、日本の街がない!? でもなんか納得!!)
なぜ限られた時代に、そして一つの場所に天才達が集結したのか?
どうやれば天才がつどう街になるのか?
そもそも、天才って何?
さまざまな問いと共に、著者と共に旅に出よう。
そうすれば、孤高の天才なんて幻想だとわかるはずだ。
さらに、天才と場所の関係性、そして天才と聴衆との関わりも。
さて私がこの本を読んで痛感したのは、日本の寛容さの欠落だ。
詳しくは本書に譲るが、いくつかの要素が天才の地となるには欠けていると感じる。
だとしても、この本を多くの人が手に取れば、
そして何か感じる事があれば、それは変わるかもしれない。
さぁ、天才が見出される場所を探しに行こう。
そして都市計画なんて投げ捨てて、天才の街を作ろう。
そうすれば、きっと日本がもっと面白くなるはずだ。
そして最後に、皆さんに一つお願いがある。
私を天才として認めてくれ!
…ゴメン、冗談だってば。