FOMC、利上げは年3回か4回か?

優利加さん
優利加さん
先週金曜日米国株式相場は上げた(DJIA +44.79 @20,902.98, NASDAQ +22.92 @5,861.73)。ドル円為替レートは114円台後半での推移だった。東証1部では、上昇銘柄数が998に対して、下落銘柄数は849となった。騰落レシオは123.69%。東証1部の売買代金は1兆7724億円。

TOPIX +4 @1,577
日経平均 +29円 @19,634円

TOPIXも日経平均も小幅続伸した。日経平均が3月10日に昨年来高値を更新したため、朝方は利益を確定する売りが先行した。3月10日発表の2月の米雇用統計は強い結果となり、FRBが3月15日までのFOMCで利上げを決めるとの見方が強まった。これで3月利上げがほぼ確定的になったが、利上げ後の不透明感から、円安・ドル高が一服した。日米の金融政策決定会合を前に様子見姿勢の投資家も多く、東証1部の売買代金は概算で1兆7724億円と活況の目安となる2兆円を割り込んだ。本日は高配当が期待できる内需株などに権利取りの買いが優勢となった。また、原油安が採算改善につながる電力株や、高配当や株主優待の見込める通信や鉄道株、一部の小売株が買われて相場を支えた。

明日から始まるFOMCに市場の注目が集まっている。FOMCは昨年12月に年3回の利上げを中心シナリオとして示しているが、もし、4回など、利上げペースの加速を示唆するような場合、金利上昇とドル高の可能性が高まる。そうなると日米金利差の拡大による円安、そして日本株の上昇につながるという読みが可能になる。しかし、3月以降の利上げペースが従来通りなら、材料出尽くしとみなされ、一旦手仕舞い売りが増加するシナリオも考えられる。

他方、ファンダメンタルズの視点から、日本株相場を支える変化も出てきた。鉱工業生産指数を見ると、企業の在庫と出荷がそろって回復し始めた。在庫と出荷がそろって改善基調をたどるのはアベノミクスが本格始動した13年以来のことであるが、当時、日経平均は年間で6割上昇した。17年1~3月期は円安や米景気の回復があり、在庫と出荷が一段と改善していると推定できる。

鉱工業出荷指数
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0743&asi=3

鉱工業在庫指数
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0745&asi=3

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、空運(2位)、陸運(3位)、ここまでは原油安の恩恵を受ける業種、情報・通信(4位)、建設(5位)となった。
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