21日のNYダウは、11430.21(+12.78)と小幅の上昇。ロシアとアメリカ、NATOとの対立が険しくなったことで、地政学的リスクから原油が大幅に上昇したが、むしろそれでエネルギー関連が買われた結果のようだ。日足の基準線11392は回復。雲の下限11364も超えて雲の中に突入したが、転換線11578はまだかなり上だ。週足も転換線11375を回復して、なんとか節目を防衛しているが、日足、週足の転換線は下降しており、このまま上昇する勢いは乏しい。原油の上昇は、エネルギー関連株に見直しの買戻しをもたらしたとしても、経済全体には決してよい話とはいえず、先行きは不透明と思われる。
問題は原油と為替に動意がでてきたことだ。原油は121ドルまで急伸。日足では転換線114をいきなり飛び越して基準線123に迫る勢いだ。週足では121.94の基準線近辺まできている。まだリバウンドの範囲だが、これより上にいけば、目先は戻しが基調になりそうだ。週足のMACDは急降下しているところなので、いきなりトレンドが変わるとは思いにくいが、地政学的なファクターが絡んでいるので、警戒が必要だろう。原油と連動して為替が108まで下落。転換線109を切り、基準線107との間に落ちてきた。週足ではまだ転換線107の上
にあり、まだリバウンドの範囲といえるが、さらにドル下落が続くと、基調に変化がでてくるかもしれないので、注意が必要な動きだ。
21日の日経平均は12752.21円(99.48円安)で終わった。今日の安値は12752で、7月のざらば安値は12671なので、ざらばの安値はまだきっていないが、終値ベースでは、7月の安値は12760で、終値では7月安値を8円切ってしまったことになる。売買高が薄く、わずか数円なので、判断が難しいが、終値を重視するのであれば、TOPIXに引き続いて日経平均も、7月安値の底が割れて、厳密な定義では「二番底」が消失したといわねばならないであろう。ということは、これから3月安値を試しにいく展開になる可能性が強くなってきたということである。悲観的に考えると、1番底そのものの信用性が問われてくることになるが、まだ相当にのりしろがあるので、そこまでするする下げるとは思いにくい。今日の下げ自体は大きくないが、続落したことで日足のMACDもRCIもさしあたり下降が明確となった。すぐ反発しないでさらに下げるようならば、月足の雲の下限が12583にあるので、さしあたりはこれを守れるか、どうか。ダウは小幅上昇したが、原油が急伸、為替がドルが弱含んでいるので、日経平均には辛い環境だ。二番底割れが確定してしまうかも。