昨日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +114.78 @19,911.21, NASDAQ +51.29 @5,463.83)。ドル円為替レートは115円台前半での推移だった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が695に対して、下落銘柄数は1,165となった。騰落レシオは149.99%へやや下げた。東証1部の売買代金は2兆5448億円。
TOPIX -2 @1,539
日経平均 +3円 @19,254円
本日は円安進行が一服したことに加え、FOMCを前に利益確定売りも出やすい局面だった。TOPIXはわずかに下げ、日経平均はわずかに続伸した。日経平均は5日連続で年初来高値を更新した。TOPIXも日経平均も3日連続で高値がほぼ並んだ。2日連続で高値が並ぶと「毛抜き天井」というが、3日も並ぶといよいよ上値の重さを強く感じざるを得ない。
日本株には海外の年金基金や投資信託など中長期投資家がまとまった買いを入れている。だから大型株の上昇が際立っている。円安進行以外にも株高を支える背景が3つある。(1)国内の景況感が好転してきた、(2)中国経済が堅調である、(3)原油をはじめとする商品市況が回復している、などである。まだある。日銀によるETF買い期待が大きい。最新の12月日銀短観によれば大企業製造業の16年度下期の想定為替レートは103円36銭で、足元の相場に比べて10円以上円高の想定になっている。日銀が国債の買い入れオペで長期金利上昇を押さえ込もうとしていることで、日米金利差縮小により円高方向へ円相場が振れるのが阻止される。
バリュエーション面では、東証1部の加重平均PERは12月13日現在で17.2倍に達し、過去5年の平均値の16.3倍に比べて割高となっており、過熱感が高まっている。米国の大統領選以降の上昇率はニューヨーク・ダウ工業株30種平均が8.0%、ドイツ株式指数(DAX)が7.4%なのに対して、日経平均は12.1%に達している。マーケットは円安進行で業績が上方修正されるのでPERは割高でない水準まで低下することを予想しながら株を買い上げているようだ。しかし、そうは言ってもドル高・円安をトランプ氏がいつまで容認するかわからない。さらに、「トランプノミクス」そのものが期待された成果をもたらさない可能性も高い。例えば、公約している所得税減税では、最高税率を39.6%から33%に引き下げるなど、高所得の富裕層ほど恩恵は大きい。しかし、経済学的には、高所得層の消費性向は低いため、減税による景気押し上げ効果は限られるはずだ。
33業種中12業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、情報・通信(2位)、精密機器(3位)、電気・ガス(4位)、証券(5位)となった。