8月15日昨週末金曜日のNYは、11659.90(+43.97)と小幅上昇となった。原油の下落がアメリカ経済の景気後退懸念を緩和したようだ。日足は基準線、転換線を越え、雲の下限11567を破って雲の中に突入。MACDもゼロを突破してきた。まだ先日の高値11867を越えていないし雲に入れば抵抗も強いだろうが、下値のトレンドラインは綺麗に守っていて、上昇の期待をもたせる。週足は、まだ基準線11982の下だが、転換線11575は越えてきた。週足のMACDもマイナスながら底打ち、RCIも底をうってきているので、中期的にも底を打ってきている様子である。ただ月足については、先月に雲の上限で反発してきた格好だが、転換線が基準線を割り、MACDも2003年来初めてゼロラインを切りつつあり、月足RCIは6月で底をうって上昇しているものの、明確な底うちはまだでていないようにみえる。目先は明るくなっているが、長期的な懸念はまだ残っているという感じであろうか。金融不安、景気後退不安がいつピリオドをうつか、おそるおそる手探りしているところだろう。
一方原油については上昇トレンドは明確に終結したように思われる。日足は雲の下、基準線の下、転換線の下で、MACDもマイナス圏を沈みつつあり、完全な下降のチャートである。週足についてみても、転換線、基準線を割ってきており、MACDもまだプラス圏だが、シグナルをきって下落中で、上昇トレンドは終わった感がある。月足でも、7年以来初めて転換線を大きく割ってきており、大きな上昇の波は終わったことを告げており、今後今年後半にかけ、基準線98ドル前後までの調整は十分にありうると思われる。
他方ドル円は、ドル高トレンドが継続中。日足は雲の上、基準線107.29、転換線109.17の上で、MACDもプラス圏で上昇中で、明快な上昇基調である。週足は基準線、転換線の上だが雲の下限110.87につっかかるところである。雲の中に入ると抵抗もありそうだが、MACDがゼロラインを突破してきており、まだ上がありそう。月足もようやく基準線を突破、MACDもRCIも底うち、ドル高方向へ転換している。月足の雲のk原画113.38にあるが、このあたりまでは少なくともドル高が続く可能性があるのではないだろうか。
さて、日経平均のほうは、13019とかろうじて62.61あげたものの、売買が乏しく夏枯れ相場が続いている。日足は基準線13137を割ってしまったものの、8月5日の安値は割らずになんとか持ちこたえている。日足は三角もちあいを、一瞬上離れ多様に見えたが、今度は逆に下離れしそうになっており、週明けにどちらにゆくか、注目である。週足も、基準線13146をわっているがなんとか下値のトレンドラインを維持しているところで、やはり三角持合が煮詰まりつつある。月足は雲の中で、下向きの転換線13899の下であり、上げのチャートではないが、3月以来の下値のトレンドラインはなんとか守っており、RCIは3月で底打ちして上昇中、MACDもまだ下げているが底打ちの気配も無きにしも非ずといったところ。
このように日経平均だけをみていると、長い目では3月で一番底、7月二番底をつけて、底練りの局面と思いたいところである。そう期待してきたのだが、どうも原油下落、為替ドル高なのに、NYにくらべると日経平均に勢いがない。短期的な需給の問題にすぎないのならいいのだが、もし短期的な需給がよくなっても、頭が重いとなると、もしかすると中国などの新興市場への懸念が背景にあるのかもしれない。事実、上海指数は、日足、週足とも完全な一方的下降トレンドであり、月足もすでに6年からの上昇の6割ちかくを下げてしまっている。月足のRCIはすでに底に届いているのだが、チャートには下げ止まる感じがあまりなく、このまま下手をすると1364の月足雲の上限まで崩落する可能性もないとはいえない状況である。
さらに不吉なことに、TOPIXは、日経平均より形が悪い。1247.31という水準は、すでにわずかだが、7月16日の安値1249.28を切ってしまっている。下値がきりあがってきていないので、どうも下に落ちそうな形状となっている。月足では、7月下値を割り込んで雲の下にでてしまっており、MACDMもまだマイナス圏をさげている。為替のドル高が支えになっている輸出産業の多い日経平均に対して、為替があまり影響のない国内産業が多いTOPIXの方に元気がないのも無理はない(内需だけの新興市場の悲惨さは言うまでもない)だが、逆に言えば、為替ドル高の要因だけーつまりは北米市場の回復期待だけを頼りに、日経平均が値を保っているともいえるかもしれない。このまま国内景気が冷え込み、オリンピック後の中国市場が冷却すると、日経平均の頭も重くなってしまうかもしれない。
原油、為替、NYが落ち着いてきたのに、中国や国内景気の懸念が台頭してきており、一難さってまた一難になってしまうのだろうか。