後場に注目すべき3つのポイント

*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~中小型株シフトも、金融セクターへの押し目買い意欲は強い

17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・中小型株シフトも、金融セクターへの押し目買い意欲は強い
・ドル・円は108円87銭付近、ドルは下値が堅い、調整中心の取引
・特殊陶、三菱地所など11社の目標株価変更


■中小型株シフトも、金融セクターへの押し目買い意欲は強い


日経平均は小幅に続伸。1.88円高の17864.09円(出来高概算12億8000万株)で前場の取引を終えている。16日の米国市場はまちまちの展開となり、トランプ物色が一服するなか、NYダウは小幅ながら8営業日ぶりに反落となった。この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比100円安の17780円、円相場は1ドル108円90銭辺りと前日からはやや円高に振れて推移している。原油先物相場も反落となるなか、利益確定の流れが先行した。

しかし、寄付き直後につけた17764.08円を安値に下げ渋りをみせるなか、その後は上昇に転じるなど底堅さが意識されている。安倍首相・トランプ次期米大統領の会談を控え、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに、政策期待が高まりやすい面もあるようだ。東証1部の騰落銘柄は値上がり値下がり数が拮抗。規模別指数では大型株指数のみがマイナスだった。

米国ではトランプ物色が一服するなか、メガバンクなど金融株には利益確定の流れがみられている。しかし、これまで大きくリバウンドをみせていただけに、想定内の一服といったところ。反対に先高期待の強い相場環境のなか、中小型株など出遅れ銘柄やセクターを探る物色がみられている。円相場もやや円安が一服していることもあり、主力大型株などは手掛けづらい状況が続きそうだが、個人主体による中小型株物色などは活発だろう。

その他、アイロムグループが「褐色脂肪細胞」の量産技術の開発を受けてストップ高買い気配となるなか、他のバイオ関連に関心が向かう状況もみられており、需給は良好であろう。また、メガバンクは利益確定が優勢ながらも、売り先行後は下げ渋りをみせている。米国ではこのところ公益銘柄と同類と考えられてきた銀行株がまた成長株に返り咲ける、というやや新しい見方が浮上していると報じられている。金融セクターへの押し目買い意欲は強そうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は108円87銭付近、ドルは下値が堅い、調整中心の取引


17日午前の東京外為市場では、ドル・円は下値の堅い値動き。米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言などを前に調整中心の取引となった。ドル・円は、前日海外市場では109円台を維持したが、今日の東京市場では前日に引き続き本邦勢の売りが観測され、日経平均株価の下落を手がかりにドルは一時108円56銭まで下落。

その後、日銀が初めて実施した指値オぺにより長期金利の上昇を抑えられたことでドル買いが強まり、一時109円28銭まで切り返した。日経平均のプラス圏浮上も、ドル買いを支援したもよう。

ただ、今晩予定されているイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言やる安倍首相とトランプ次期米大統領の会談が注目され、積極的には動きづらいようだ。

ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏推移のため再び株安が見込まれものの、米12月利上げ期待を背景としたドル買い・円売りは続く見通しで、ドルは109円付近から大きく下げる展開は想定しにくい。

ここまでのドル・円の取引レンジは108円56銭から109円28銭、ユーロ・円は116円26銭から116円87銭、ユーロ・ドルは1.0689ドルから1.0715ドルで推移した。

12時15分時点のドル・円は108円87銭、ユーロ・円は116円50銭、ポンド・円は135円24銭、豪ドル・円は81円44銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・特殊陶、三菱地所など11社の目標株価変更

・アイロムG、AMBITION、エキサイトなど4社がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・黒田日銀総裁
「日本の金利上昇を容認することにはならない」
「米経済の成長率が加速すれば日本や世界経済にプラス」

・ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「世論の変化に合わせて政策の道筋を変更することはない」

・ドイツ連銀(金融安定報告書)
「ドイツの銀行は堅実だが収益性に苦しんでいるほか、リスクを甘く見積もっている」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・12:45 20年国債入札の結果発表


<海外>
・特になし



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