上昇一服だが銀行株は別

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちだった(DJIA +21.3  @18,868.69, NASDAQ -18.72 @5,218.40)。ドル円為替レートは108円台前半での推移。本日の日本株は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が809に対して、下落銘柄数は1,039となった。騰落レシオは119.19%。東証1部の売買代金は2兆5886億円。

TOPIX +3 @1,403
日経平均 -4円 @17,668円

TOPIXも日経平均も前日比ほぼ変わらずとなった。前日までの大幅高の反動で利益を確定する売りに押された。円安基調により日本企業の収益が改善するとの期待は根強く、深押しすることはなかった。日経平均は一時は1万7727円と取引時間中としては2月2日以来、9カ月半ぶりの高値を付けた。

買いが先行した後は売りが優勢になった。米国大統領選挙後の円安を好感して買われていた自動車、電機など輸出株もまちまちとなった。米国株上昇の勢いが弱まり、日経平均も前日までの3日間に1400円余りも上げたので、ひとまず利益確定売りが優勢になった。

しかし、割安に放置されてきた金融株の一角や主力株には買いが続いた。一時、三菱UFJフィナンシャル・グループは6%高、三井住友フィナンシャルグループは5%高と急伸した。メガバンク3行が前日に発表した2016年4~9月期決算はそろって最終減益だった。日銀マイナス金利政策の導入で利ざやが縮小したためだ。預金を集めて融資や債券運用で稼ぐビジネスモデルの限界が来ている。業績だけをみれば銀行株は買えないはずだが、株高となった。メガバンク株が上がる理由を強いて挙げると、米金利上昇に加え、ドナルド・トランプ次期米大統領が掲げる金融規制緩和の思惑である。各社はM&Aなどで海外事業を拡大しており、規制緩和の恩恵を受けやすいからである。日本株全体でグロース(成長)株からバリュー(割安)株への資金シフトが起きている。急伸したとはいえ、メガバンク株のPBRは0.6倍前後と低い。バリュー株の代表格であり、時価総額も大きい。一旦上げ始めると、機関投資家が持たざるリスクを意識しても不思議ではない。

足元ではドル高基調だが、トランプ氏を支持してきた米製造業の労働者らにとってドル高は容認しにくいはずである。トランプ氏からいずれドル高をけん制するような発言が出れば、一転して円高・ドル安基調に転じる可能性は高いと見ておきたい。

33業種中21業種が上昇した。上昇率トップ5は、銀行(1位)、倉庫・運輸(2位)、医薬品(3位)、鉱業(4位)、石油・石炭(5位)となった。
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