7-9月GDPは年率2.2%増、輸出が寄与-3期連続でプラス
2016年11月14日 09:13 JST 更新日時 2016年11月14日 10:22 JST
個人消費は0.1%増、設備投資は横ばい、公共投資は0.7%減
外需の寄与度プラス0.5ポイント、在庫はマイナス0.1ポイント
7-9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率で2.2%増と、3期連続のプラス成長となった。内需は伸び悩んだものの輸出が寄与した。
内閣府が14日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増だった。ブルームバーグの事前調査の予想中央値は前期比年率0.8%増(前期比0.2%増)だった。
項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.1%増。設備投資は横ばい。民間住宅投資は2.3%増えた一方、公共投資は0.7%減少した。外需のGDP全体への寄与度はプラス0.5ポイント、在庫の寄与度はマイナス0.1ポイントだった。
石原伸晃経済再生相はコメントを発表し、台風などの影響で個人消費は小幅のプラスにとどまったが、電子部品などを中心に輸出が増加したと説明。内閣府によると、半導体製造装置やスマートフォン向けの部品などが輸出増に寄与したという。
石原再生相は、先行きについて、政府の経済対策などにより緩やかな回復が期待されるとする一方、中国など新興国の下振れリスク、海外経済の不確実性の高まり、金融資本市場の変動の影響に留意が必要と指摘した。
野村証券の桑原真樹シニアエコノミストはGDP発表後、外需が想定以上に増加に寄与していたと評価、特に韓国や台湾などで生産活動が上向いていると指摘した。国内消費は「強いとは言えないが想定通り、民間設備投資が弱いのは気になる」という。基本的に低成長が続く中で、輸出増を受けて設備投資も若干出てくるのではないかと指摘、2016年度の政府補正予算の効果も来年の1-3月期に一定程度下支えになるとみている。
政府は10月25日公表した月例経済報告で、「このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との景気判断を維持した。日銀は1日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、海外経済の回復に加え、極めて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に、18年度までの見通し期間を通じて、0%台前半とみられる「潜在成長率を上回る成長を続ける」との見通しを示している。
ブルームバーグ