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米国株:下落、前例のない大統領選は株式市場にも異変もたらす

米国株:下落、前例のない大統領選は株式市場にも異変もたらす
Rebecca Spalding、Joseph Ciolli
2016年11月4日 05:33 JST 更新日時 2016年11月4日 06:38 JST



2016年の米大統領選はこれまでに例を見ない展開となり、評論家を困惑させているが、異変は米株式市場でも起きている。過去の例を見ると、米株式相場は大統領選の直前の数日間はほぼ必ず上昇していたが、今年は下落している。


  ブルームバーグとビスポーク・インベストメント・グループがまとめたデータによると、過去22回の大統領選のうち20回で、S&P500種株価指数は投票日前の5日間に上昇している。1928年の大統領選までさかのぼると、同指数は投票日前5日間で平均1.9%上昇したが、今回は10月31日以降に1.8%下落している。8日の投票開始までに残された株式市場の営業日は、この日11月3日を含めてあと3日しかない。

  3日の市場では、S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2088.66。ダウ工業株30種平均は0.2%下げて17930.67ドル。

  大統領選が接戦となる中でS&P500種株価指数は8営業日続落と、2008年以降で最長の連続安となった、またシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は過去最長の連続上昇となっている。
  ブリンマー・トラストのアーニー・セシリア最高投資責任者 (CIO)は、「確実性か不確実性かがすべてであり、これが唯一相場を動かしている」と指摘。「最近の下落は、世論調査で接戦となりつつある状況が影響している部分が大きい。市場はドナルド・トランプ氏が大統領になる可能性をこれまで織り込んでいなかった」と続けた。
  既に多くの不確実性を抱える株式市場を、予想困難な大統領選がさらに不安にしている状況だ。
  S&P500種構成企業では大半の決算が市場予想を上回っているが、企業利益に関する明るいニュースも大統領選をめぐる投資家の不安を払拭(ふっしょく)するには不十分だ。相場の下落に備えたオプション取引は先週、4月以来の高水準に達した。
  3日の株式相場では企業決算によるプラス寄与はほとんどなかった。フェイスブックは2月以降で最大の下げ。同社は増収率の低下とコスト増加を予想した。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は4カ月で最大の下落。営業利益が市場予想を下回った。
  S&P500種構成銘柄のうち約80%が決算発表を終えており、うち56%で売上高、76%で利益が予想を上回った。
  この日発表された経済指標では、先週の米週間新規失業保険申請件数は市場予想に反して前週比で増加し、ほぼ3カ月ぶりの高水準となった。また米供給管理協会(ISM)が発表した10月の非製造業総合景況指数は前月から低下し、市場予想も下回った。4日には10月の雇用統計が発表される。
原題:Election Disrupts Another Market Maxim as Stocks Drop Into Vote(抜粋)



ブルームバーグ
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