テルモは、米医薬品・医療機器大手アボット・ラボラトリーズと同業のセント・ジュード・メディカルから血管治療機器の事業の一部を買収することで基本合意したそうです。
買収額は合計11億2000万ドル(約1160億円)で、アボットが今年4月に決めたセント・ジュード買収に伴う事業再編の一環となるそうです。
テルモは今回の買収で、血管治療機器事業を国内外で強化するようです。
カテーテル(医療用細管)と呼ばれる細い管を血管に通して治療する機器が対象になるそうです。
治療で足から挿入するカテーテルを抜く際の止血に使う機器をセント・ジュードから、カテーテルを挿入するための機器をアボットからそれぞれ買収するそうです。
すでに独占交渉期間に入り、今後は買収にあたっての手続きを進めるようです。
セント・ジュードとアボットは止血機器での世界シェアが7割近くに達し、各国の独占禁止法に引っかかる可能性がありましたが、テルモはセント・ジュードの止血機器を買収することで、同分野では世界シェアがトップ級になるそうです。
身体への負担が少ないカテーテルを使った治療は入院期間を短くできるため、世界で需要が増大しており、テルモは事業買収でカテーテル関連機器の品ぞろえを拡充するそうです。
同社の心臓血管領域の売上高は2016年3月期で2586億円であり、買収で、単純合算では3000億円前後の規模に拡大するようです。
テルモのM&Aでは、2011年に約2100億円で買収した血液システム大手の米カリディアンBCT(現テルモBCT)に次ぐ規模になるそうです。
今年6月には脳血管治療に使う米医療機器会社を最大約400億円で買収を決めたそうです。
一方、アボットは心臓ペースメーカーや人工心臓弁などに強いセント・ジュードを約250億ドルで買収し、2016年10~12月期中に手続きを完了する予定だそうです。
それに伴って、眼科領域の子会社を米医薬・生活用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に売却するなど、事業の選択と集中を進めていたそうです。
テルモにとっては過去2番目の大型買収なんですね。
うまくいくといいですね。
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