前回もロシアについて書いたが、
今回はちょこっと真面目に書くから興味がある方だけ読んでくださいませ。
多くの人が知っていることだが、
インデックスはだいたいのアクティブ運用よりも良い成績を出す。
私も過去にインド株ファンドやグローバルREITファンドで調べた事があるが、
アクティブファンドの勝率は20~30%ぐらいだ。
http://minkabu.jp/blog/show/451884
http://minkabu.jp/blog/show/514932
しかし物事には例外もある。
それがタイトルのとおり、ロシアだ。
では、ロシアではアクティブ v.s. インデックスはどうなっているのか?
まずは、比較対象のファンドを紹介しよう。
ロシア株のインデックスファンドは日本にはないので、野村のロシア株ETF(1324)を使った。
そして、ロシア株のアクティブファンドとして、
三井住友・ロシア株式オープン
ダイワ・ロシア株ファンド
DWSロシア株式ファンド
HSBC ロシアオープン
の4つを選定した。
他にもロシア株を扱ったファンドがあるが、運用が短かったり、
ロシア以外の国の株を含んでいたりしたので除外した。
比較はYahooファイナンスのチャートを利用。
では結果を見てみよう。
5年間の比較チャートがこちら↓
驚くべきことに、赤のロシア株ETFが全てのファンドに対してリターンで負けている。
ロシアでは、一体何が起きているのかと考えてしまう。
"比較数が少ないため良いデータが得られなかった"
"ロシアではインデックスが十分機能していない"
など考えられるが、このETFについて言及しておく。
ロシア株ETF(1324)は、2014年より前は、株をほとんど組み入れていなかった。
2013年頃のロシア株ETFの投資信託説明書が手元にあるので見てみると、
『指数連動有価証券または対象株価指数に採用されている銘柄(採用が決定された銘柄を含みます。)の
株式ならびに株価連動有価証券を投資対象とします。』
と記載されている。
しかし実際に銘柄別投資比率の欄には、
株はなく、99%以上が社債券(恐らく株価連動の仕組み債)になっている。
「株価に連動するようだから問題ないのでは?」
という意見もあると思う。
しかし、問題がある。
実はロシア株、配当が結構高いのだ。
myIndexのデータによると、2016年9月実績値でロシアは配当利回り4.44%
世界でも上位のほうだ。
株価連動債も利子は出ると思うが、
この世界的低金利の昨今、さすがに4%は出ないだろう。
と言うわけで、配当の分が積もって差が出た可能性がある。
さてさてこのETF、「2014年より前は」と書いた。
そう。実は、今は株を組み入れている。
2014年ごろに約款変更をして、組み入れるようになったのだ。
http://nextfunds.jp/news/2014/pdf/201403192.pdf
実際、今の投資信託説明書(2016/10時点)を見てみると、銘柄別投資比率の欄には
ズベルバンクやガスプロムなどの銘柄が記載されている。
というわけで、株を組み入れるようになった、
1年間の比較チャートがこちら↓
5年間と比べ期間が短いため混戦ではあるが、
ETFは3番争いってところだ。(少なくともビリではない)
これを見るとまだインデックスの優位性は見出せないが、
今後の推移を待ちつつ、「何事も例外はある」ということで今回は〆る。
余談だが、私がロシアへ投資をしはじめた時にETFだけでなくアクティブファンドにも投資した。
理由は上に述べたとおり、そうせざるをえなかったからだ。