9月9日(金曜)

今週は円高進行の割にしっかり、来週は一段と動きづらい展開か


 東証1部の騰落銘柄数は値上がり739/値下がり1082と日経平均はプラスを保ったものの売りが優勢。政府や東京都の待機児童解消策が報じられたことを好感し、JPHDや幼児活動などに買いが入った。原油高を受け国際帝石やコスモエネルギーなども強い動き。マザーズではそーせいが6%を超える大幅上昇となり注目を集めた。ほか、分割を発表したセックや決算好調の鎌倉新書、自己株取得を発表したヨロズなどが大幅高となった。一方、月次が落ち込んだラウンドワンが大幅安。イトクロやアスカネットは決算が失望材料となり値を崩した。



 先週はイエレンFRB議長とフィッシャー副議長からの円安プレゼントがあったが、今週は米国の経済指標などからその動きが修正された。ただ、先週は円安を追い風に日経平均は週間で564円上昇したが、今週は円安一服でも週間では40円の上昇となっており、為替のネガティブ影響が限定的となっている。来週もFOMCと日銀会合を前に方向感に乏しい展開は続くと想定される。そのような中では、大きな基調が変わらないとの見方から、順張りか逆張り、どちらかの動きが強まると考える。今週の騰落率上位業種は、その他製品(任天堂が属する)、海運、石油・石炭、電気・ガス、卸売。一方下位業種は、保険、銀行、鉄鋼、証券・商品先物、輸送用機器。これらのセクターの動向を特に注目しておきたい。


【来週の見通し】 もみ合いか。9月20~21日に控えたFOMCおよび日銀会合を前に動きの取りづらい展開が想定される。為替動向が売買の手がかりとなる日が多くなりそうだが、特に週後半にかけては米国の指標発表が多く、ドル円の動きも荒くなる可能性がある。また、日銀の追加緩和の「総括」に関する思惑なども相場の刺激材料となりやすい。ただし、結局はイベントを通過するまでは不透明感は払しょくされないことから、上でも下でも極端な動きが出た場合には、その逆の見方も強まりやすく、結果、週を通してはこう着感の強い動きが続くと予想する。国内のイベントでは、15日から始まる東京ゲームショウが注目される。なお、翌週月曜の19日の東京市場は祝日(敬老の日)で、祝日明けがFOMCおよび日銀会合というスケジュールのため、週後半にかけては手控えムードは一段と強まりやすく、その分、上値は重くなると考える。



【今週を振り返る】 底堅い展開となった。市場予想を下回る米8月雇用統計を受けても円安基調が崩れなかったことから、日経平均は週初から17000円台を回復。中長期の節目の200日線も回復したことで下値不安が和らいだ。しかし、8月ISM非製造業景況指数など、その後に出てきた米指標も弱い内容となったことから早期利上げ観測が後退し円高が進行、日本株の上値を抑えた。アップルの新商品イベントを手がかりに任天堂が急伸するといった動きもあったが、全体的にはFOMCや日銀会合を先に控えて様子見姿勢が強まり、場中の動意が少ない日が多く見られた。日経平均は週間では約40円の上昇となったものの、週足では陰線を形成した。





(後場)

日経平均は小反発 任天堂やディー・エヌ・エーは軟調
 9日の東京市場で日経平均は小反発。メジャーSQ通過後は円安一服やアジア株安、地政学リスクなどを受けて軟調に推移したが、後場は黒田日銀総裁と安倍首相の会談が追加緩和期待を高めるかたちとなり先物が買われた。売買代金上位では、北米販売の鈍化への警戒からトヨタ自動車や富士重工業などが小幅に下げたほか、任天堂やディー・エヌ・エーが軟調に推移。一方、コマツなど建機株が堅調だったほか、川崎汽船、昭和電工などが年初来高値を更新した。



(前場)
日経平均は続落 任天堂は軟調、コマツや日立建機が年初来高値を更新
 9日前場の日経平均は続落。円安一服に加え、メジャーSQ通過後の主力株の弱い動きが買い手控えムードにつながり、売りに押される展開となった。一方、日銀によるETF買い期待などから下げ幅は限定的だった。NTTドコモなどの通信株の一角や、ディー・エヌ・エー、任天堂、サノヤスHDが安い。一方、LINEが堅調ほか、コマツや日立建機が年初来高値を更新した。業種別では、鉱業や海運、石油・石炭製品などが上昇、食料品やその他製品などが軟調だった。



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