【特集】 資金シフトが続く “景気敏感株”、低PBR「好業績」リスト 34社選出 <割安株特集>
成長期待で買われてきた内需関連から割安な輸出関連・景気敏感株への資金シフトが進んでいる。本特集では、鉄鋼、電機、機械、精密機器、輸送用機器の5業種を対象とした「資金が向かい始めた "景気敏感株"、低PBR『好業績』リスト」に続き、非鉄金属、化学、ガラス・土石の素材3業種を対象に、好業績かつ株価指標が割安で下値が限られる銘柄を探ってみた(9月2日現在)。
素材関連は中国の経済減速などを背景とした市況低迷や円高による収益力低下が懸念され低迷してきたが、ここにきて売りが一巡したうえ、米利上げ観測が浮上し円安が進んだことで、買い戻す動きが活発化している。下表では、時価総額100億円以上の東証1部銘柄の中から、16年4-6月期(第1四半期)に本業のもうけを示す営業利益が前年同期と比べて5%以上の増益を達成した銘柄をピックアップ。さらに、PBR(株価純資産倍率)が理論上の解散価値である1倍を下回る34社を選び出し、増益率の大きい順に記した。
増益率トップの日本化成 は利益率の高い半導体向け合成石英の販売が伸び、4-6月期の営業利益は前年同期比6.0倍に膨らんだ。2位のレック は主力の清掃用品「激落ちくん」を中心に販売が好調だったうえ、原価低減などで採算も改善した。3位の日山村硝 は中国子会社の業績が改善した主力のガラスびん事業が収益を牽引した。
続く4位のアーレスティ は生産効率化で円高やアルミ価格下落による収益押し下げ圧力を吸収し、大幅増益を達成した。5位の信越ポリマー は半導体業界の需要拡大を追い風に、半導体ウエハ容器の販売が好調だった。このほか、予想PER(株価収益率)が東証1部平均(14.9倍)を大きく下回っている、ハリマ化成グループ 、日本特殊塗料 、平河ヒューテック などは収益面でも割安感が強く注目したい。
┌ 4-6月営業 ┐ 対通期 予想
コード 銘柄名 業種 増益率 利益額 進捗率 PBR PER
日化成 化学 498 377 33.7 0.96 16.6
レック 化学 225 608 40.5 0.81 17.4
日山村硝 ガラス土石 193 861 57.4 0.30 11.2
アーレスティ 非鉄金属 150 2340 39.0 0.41 6.4
信越ポリ 化学 118 1645 31.0 0.79 16.4
ハリマ化成G 化学 100 916 32.7 0.42 6.8
住友精化 化学 98.7 3009 37.6 0.95 9.4
荒川化 化学 92.6 1414 37.2 0.53 10.2
新田ゼラチン 化学 64.7 486 32.4 0.92 16.6
リケンテクノ 化学 55.8 1329 24.2 0.68 10.3
黒崎播磨 ガラス土石 55.0 1564 - 0.52 -
リョービ 非鉄金属 52.8 3214 27.2 0.72 10.9
東リ 化学 45.0 483 11.9 0.64 7.1
アキレス 化学 44.5 344 20.2 0.61 23.2
タイガポリ 化学 42.4 823 37.4 0.50 9.1
日特塗 化学 39.4 432 20.6 0.75 6.1
住友ベ 化学 38.3 3711 24.7 0.80 13.1
JSP 化学 37.8 2272 25.2 0.91 9.8
日本化 化学 36.0 1134 32.4 0.68 7.9
三井金 非鉄金属 35.7 7019 33.4 0.76 30.3
タキロン 化学 32.8 814 16.3 0.71 9.9
大日塗 化学 32.2 1352 22.2 0.99 7.0
菱ガス化 化学 31.0 9937 39.7 0.79 14.1
大阪ソーダ 化学 25.4 1606 24.7 0.87 9.6
三洋化 化学 24.9 3987 28.9 0.86 9.8
平河ヒューテ 非鉄金属 23.2 585 24.4 0.57 6.6
テイカ 化学 20.5 1509 30.2 0.72 7.4
藤倉化 化学 16.7 832 27.7 0.67 10.8
カーバイド 化学 8.7 525 21.0 0.58 -
天馬 化学 7.5 1274 31.9 0.55 10.7
日軽金HD 非鉄金属 6.9 5978 22.1 0.93 7.4
ADEKA 化学 6.1 4760 24.5 0.93 11.3
UACJ 非鉄金属 6.0 4916 20.1 0.86 15.2
バルカー 化学 6.0 865 27.0 0.89 15.9
※営業利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。通期進捗率は営業利益の通期計画に対する4-6月期の進捗割合、単位は%。
株探ニュース