引き続き円安が日本株をサポート

明日の戦略

9月1日(木) 16:27
様子見姿勢強まるもしっかり、引き続き円安が日本株をサポート


 東証1部の騰落銘柄数は値上がり1182/値下がり656と買いが優勢。銀行株への買いが続くなか、武蔵野銀や常陽銀、千葉興銀など地銀の一角にも大きく値を上げる動きが見られた。「ポケモン GO」とパートナーシップを提携したと発表したソフトバンクが買われ、かつて「ポケモン銘柄」として賑わったサノヤスHDが後場急伸の動きを見せた。証券会社が投資判断を引き上げたクラリオンが急騰、住友化学の子会社となることを発表した田中化研がストップ高まで買われた。一方、原油安を受け国際帝石や昭和シェル、コスモエネルギーなどが軟調、トリケミカルは決算が失望材料となり大きく売られた。

 今週はここまで、円安進行が日本株を押し上げてきた。今晩もいくつか米国経済指標の発表が予定されており、為替の動意材料となる可能性がある。特に8月のISM製造業景況指数は注目。米国は雇用や住宅関連はこのところしっかりした内容が確認できているが、製造業関連でも強い内容が確認できた場合には、ドル高(円安)に勢いがつく可能性がある。一方、今晩の指標が弱めであったとしても、あすの雇用統計通過までは円安基調は大きくは崩れないと予想する。

 また来週以降に関しても、雇用統計が極端に弱い内容とならない限りは、9月利上げの見方を完全に払しょくすることは難しく、ドル高基調は続きやすい。リスクとしては、ドル高局面で生じやすい米国株安、原油安、新興国市場株安で、これらが同時に起こる可能性がある点には一定の警戒が必要。ただ、この動きはあったとしても9月20~21日のFOMCまでの期間限定の可能性が高い。また、これらの動きが強まる場合、一方で円安がさらに進むと予想されることから、日本株に関しては好悪材料が相殺されると考える。重要イベント続きで相場も不安定となりやすいが、大きな流れとしては、米国が2度目の利上げを正当化できるくらい経済が回復しており、それに呼応して為替が動き始めているというのが今の状況。円安が続く以上は、日本株にとっては悪くない地合いが続くと見ておいた方が良い。


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