「五輪休戦終了で政治攻防激化の公算」
〇政治的思惑、為替や原油相場を揺さ振る可能性
18日の海外市場では、対ユーロで8週ぶりに安値となったドル安基調、6週間ぶりに50ドル/バレルを突破した北海ブレントの原油高などが目立った。
ドル安は米利上げ観測の後退が背景だが、11月の米大統領選までは利上げできないとの読みがその背後で燻る。
今年、トランプ旋風とともに円高基調が発生した時
から、オバマ政権によるクリントン候補支援のための「米経済は順調」策が効いていると見られる。米経済失速懸念が高まった大きな要因がドル高のオーバー
シュートで、企業業績、輸出、設備投資などへの悪影響を米政権が強く懸念したためと考えられる。
米企業収益は4-6月期2.5%減益と伝えられ、予想の5%前後から縮小しているので、それなりの「成果」が出ていると見られるが、9月のレイバーデー明けから、大統領選は最終コーナーに入る。円はドル高修正
のバッファー的存在と見られ、それに乗じた投機筋の円高仕掛けと食い止めたい当局の口先介入の攻防が続いている。
予想以上に成功裡に終幕を迎えようとしているリオ五輪後、政治攻防が一気に再燃する可能性がある。
為替は日米政治や金融政策だけで決められるものでは
ないので、思わぬ曲折要因が発生する可能性を注視することになろう。それを端的に投影している可能性があるのが原油相場だ。表面上は9月にも開催が噂される産油国の増産凍結協議の観測だが、地政学リスクを睨んだ売り方の買戻しが相場を押し上げている可能性がある。
例えば、18日、ウクライナのポロシェンコ大統領は「ロシアの侵略が有り得る」と警告した。クリミアでロシアがテロ戦術に関わっていると非難し、18日も過去1年間で最も大規模な攻撃を受け、兵士3名が死亡した。また、サウジ-イエメン国境での衝突も激しくなっている。
フィスコ