円高と迫力不足の財政支出が株式相場を下げた

優利加さん
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昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -77.79 @18,493.06, NASDAQ -2.53 @5,097.63)。ドル円為替レートは104円台半ばの円高方向へ振れた。これらを嫌気して、本日の日本株全般は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が405に対して、下落銘柄数は1,470となった。騰落レシオは115.40%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆3278億円。

TOPIX -18 @1,307
日経平均 -237円 @16,383円

TOPIXも日経平均も大きく下落して、3日続落した。前日の欧米市場が軟調だったことや、為替の円高が嫌気され、日経平均は一時前日比300円近い下げ幅を記録した。特に弱含んだのが金融関連株だった。ここ数日進んでいる原油安と昨日も米株安で海外投資家のリスク選好意欲が弱まると、ここ数年来の定石通りに「低リスク」とされる円が買われたて、円高となった。http://chartpark.com/wti.html

日銀の金融政策決定会合を控え、株式市場は様子見ムードが漂う。日銀会合と同日公表される欧州の銀行のストレステストも波乱要因である。今週から本格的に始まる3月期企業の第1四半期決算発表株価と為替の動向も要注意だ。日銀の緩和は市場ではすでに織り込み済みとの見方も多く、もし、日銀が「緩和なし」と決めた場合、円高に拍車がかかりかねない。

政府がまとめる経済対策で、国と地方の財政支出(真水)が6兆円規模と報道された。中身を見ると、2次補正予算に組み込まれるのは2兆円程度で、6兆は2017年度の当初予算を含めた金額である。「財政支出6兆円」から受ける印象ほどの積極的な財政出動ではないし、10兆円とも期待されていたことを比べると迫力不足である。この点も株式相場の足を引っ張った。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、鉄鋼(2位)、鉱業(3位)、海運(4位)、輸送用機器(5位)となった。

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