7月22日の日経平均は、16627.25(-182.97)で、日足では3日前に雲の上にでたものの、アイランドリバーサルをつくり、当面の高値形成をしたように思われる。日足は、基準線、転換線、雲の上になっており、パラボリックもプラス、MACDもプラス圏だが頭を打ってシグナルを切っている。4月25日、5月31日の高値を結んだ上値の抵抗ラインで頭を押さえられた形である。一方週足をみると基準線16384を抜けたものの、雲の下限は18248とずっと上にあり、下向きパラボリックの17161にも届いておらず、トレンド転換になっているとはいいがたい。もっともMACDはゼロラインを上に抜けそうになっているので、基準線をめぐる攻防がおこっているとはいえるであろう。月足はというと雲の上だが基準線17740、転換線17438の下、パラボリックも下向きで、18195とかなり距離があり、MACDもマイナス489と明確な下降トレンドになっている。ただ、2月6月と長い下ひげをだしており、15000近辺で底固めした可能性もありそうだ。長期は底固め、中期はトレンド転換をちょいと試している局面、短期的な戻りは頭を打ったところといえようか。
ドル円は106.13(+0.27)。こちらの方は日経平均より形が悪い。日足は基準線103.12、転換線104.97を上に抜けてはいるが、106.57の雲の下限に押し返された形になっている。パラボリックは上向き、MACDはプラスに顔を出してきているが、ボリンジャーは広がりを止めており、雲を突き破るエネルギーは感じられない。週足は基準線110.21のはるか下にあって、MACDはマイナス、パラボリックも下向きで、いずれも下降トレンドを示している。月足も雲の上だが基準線、転換線の下で、月足MACDは株と違ってまだかろうじてプラスだが、ゼロラインに接近中。長期はやはり下値を固めているところ、中期はなお下降トレンドを脱せず、短期も雲を抜けられずに戻りも頭打ち、という印象だ。
Brexitの衝撃が一巡し、動揺がおさまって、株も戻してきたものの、為替は頭打ち、株も頭を押さえられて短期的な戻りもここまでか、といった感じになっている。もっとも、参院選の結果を受け、政府日銀の経済対策が取りざたされており、株式市場の方はこれを期待して雲を上抜けてきているのだろうが、為替の反応はもっとクールということだろうか。安倍首相は、憲法改正発議が可能な数をついに確保した。悲願が達成された以上、9月以降は憲法改正への道を固めてゆくのにエネルギーを注ぐことになろう。その前に経済を安定させておきたいところだろうが、経済対策ででてきているものは、リニアなどの公共投資が中心で、構造改革につながるものは乏しい。Brexitの影響はまだ読み切れないが、これからイギリスの世界各国との経済関係の再構築という困難な課題が控えており、長期にわたる不安定要因になることは間違いない。アメリカの雇用はよくなっているようだが、メリカ大統領選の行方もまだよくわからず、FRBがどんどん利上げするには、もう少し内外の環境が整うことが必要だろう。しかもニースのテロ、トルコのクーデター、ミュンヘンのテロ、近くでは南シナ海の問題など、経済以外の不穏な要素も拡大しており、円高のトレンドが近い将来切り替わるとは予想しにくい。となれば、円安→輸出企業の利潤拡大という経路をとってきたアベノミクスは当面勢いをもりかえすのは難しいのではないか。