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雇用統計待ちのSQ週は上下に振らされそう
【株式市場・今週の展望】雇用統計待ちのSQ週は上下に振らされそう
2016年7月3日 22:46
前月の雇用統計は予想外の悪さだった。「また悪いのでは?」と不安になるのは、楽観予想がウルトラ級の凶事にひっくり返された出来事のせい。ましてや今週はSQ週。
今週、7月第2週(4~8日)は5日間の取引。8日の金曜日は東京市場ではマイナーSQ(オプションSQ)、アメリカでは雇用統計の発表がある重要な日。SQ週の火曜日は5日、水曜日は6日で、需給要因で為替を道連れに先物主導で急落する「ゲリラ急落」に注意。10日の日曜日は参議院選挙の投票日。
世界の主要株式市場の休場日は、4日にアメリカが「独立記念日(インデペンデンス・デー)」で休場する。NY株式、為替、債券、商品の各市場もシカゴCMEも休場する。今週はイスラム教徒にとって重要な「ラマダン(断食月)明け」の日があり、7月6日の夜。インドとシンガポールは6日のみ。マレーシアは6~7日、トルコは5~7日が休日。インドネシアは4~8日と今週は全て休みになる。大相撲名古屋場所は10日が初日。大砂嵐関は断食しなくてもよくなり体調万全?
国内の経済指標、イベントは、不動産セクターの業績に影響する7日のオフィス空室率、8日の景気ウォッチャー調査が重要。
4日には6月のマネタリーベース、企業物価指数、ファーストリテイリングの6月の国内ユニクロ既存店売上高が発表される。5日に三村日商会頭が記者会見を行う。6日には6月の輸入車販売台数、7日には6月の東京都心部オフィス空室率、5月の景気動向指数速報値が発表される。7日の日銀支店長会議で黒田総裁があいさつし、日銀の消費活動指数、地域経済報告「さくらレポート」が公表される。8日には5月の国際収支、5月の毎月勤労統計調査、6月の企業倒産件数、景気ウォッチャー調査が発表される。8日はマイナーSQ(オプションSQ)の清算値算出日で、オプション取引とミニ先物が対象。10日は参議院議員通常選挙の投開票日。
主要銘柄の決算発表は2月期決算企業の3~5月期(第1四半期)決算が発表のピークを迎える。小売、外食大手では、イオンは6日、セブン&アイHD、ファミリーマートは7日、吉野家HDは8日に発表。
4日はキユーピー、わらべや日洋、ヨンドシーHDなど。5日はエスプール、アスクル、ハニーズ、バイク王&カンパニー、ケーヨー、丸栄、サンエー、天満屋ストア、アオキスーパーなど。6日はイオン、イオン北海道、イオン九州、マックスバリュ北海道、マックスバリュ西日本、マックスバリュ九州、イオンモール、イオンディライト、ベルク、ABCマート、CVSベイエリア、ウエルシアHD、東京個別指導学院、不二越、壱番屋など。
7日はセブン&アイHD、オーエスジー、ファミリーマート、リンガーハット、乃村工藝社など。8日はキリン堂HD、薬王堂、シリコンスタジオ、久光製薬、明光ネットワークジャパン、ポプラ、シグマ光機、オンワードHD、島忠、チヨダ、東武ストア、ポケットカード、吉野家HD、プレナスなど。
新規IPOは今週はお休み。次回は7月15日のLINEで、時価総額約6700億円と推定され今年最大級の大型上場。時価総額推定約5000億円でそれと並び立つJR九州は前週に本申請を行い10月上場の予定。なお、7日上場の徳島市の建設・不動産関連企業ピースリビングの上場先はTOKYO PROマーケットで、原則として個人投資家は売買できない市場。
海外の経済指標、イベントは、8日の雇用統計以外では、6日のISM非製造業景況指数、7日のADP雇用統計などアメリカに重要指標が多い。
5日にはオーストラリアの貿易収支、小売売上高、ユーロ圏の5月の小売売上高が発表される。5日に、2日に総選挙が実施されたばかりのオーストラリアが政策金利を発表する。5日にはアメリカの5月の製造業受注、6日にはアメリカの5月の貿易収支、6月のISM非製造業景況指数が発表される。6日に6月14、15日に開かれたFOMCの議事録が公表される。英国の国民投票の直前でもあり結局、利上げをしなかった回。7日にはアメリカの6月のADP雇用統計、8日にはアメリカの6月の雇用統計(非農業部門雇用者数の伸び、完全失業率)、5月の消費者信用残高が発表される。
アメリカの主要企業の決算発表は、めぼしいところは予定されていない。
前週末1日の終値は15682.48円だった。24日の1286円安の「悪夢」から5日続伸で+730円、56.7%戻している。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は5日線だけが下にあり15491円。25日線は457円上の16139円、75日線は804円上の16486円で、手を伸ばしても届かない別の惑星。200日線は1771円上の17453円で、別の恒星系。
日足一目均衡表の「雲」は、7月1日時点では16542~16741円で、その下限は1日終値から860円も上に浮かぶ「高層雲」。今週は、雲の下限は前週から引き続き16542円でずっと固定。上限は7日まで16814円で、8日は16827円に下がる。春から何度も「ねじれ」を演じてきたが、今週の雲は静かにたなびく。前週、75日移動平均線が雲の下まで下がってきた。
前週の週間騰落730円高により、ボリンジャーバンドでは1日終値は25日線-1σの15533円と+1σの16746円の間のニュートラル・ゾーンにある。-1σに近いが、前週より上にも下にも振れやすくなっている。
オシレーター系指標は「売られすぎ」シグナルが全て消灯した。13円高、9円高でも白星は白星なので、サイコロジカルラインは9勝3敗の75.0%で買われすぎ基準に急接近。誤解を生むので20円以内の辛勝や惜敗は除外して計算してもいいように思えるが、それなら70.0%。それ以外は、ボリュームレシオは68.3、25日移動平均乖離率は-2.9%、ストキャスティクス(9日・Fast /%D)は48.8、騰落レシオは96.9、RSI(相対力指数)は45.5、RCI(順位相関指数)は-23.8だった。
大暴落した6月24日時点の需給データは、信用買い残は17日時点から790億円減の2兆3686億円で、2週連続で減少。信用倍率(貸借倍率)は4.00倍から4.31倍へ2週連続で増加。信用評価損益率は-16.49から-18.68で2.19ポイント動き、-25.76の2月12日以来の水準。裁定買い残は1548億円減の8803億円で、4週続けて減少し1兆円割れ。これは2012年1月13日以来およそ4年半ぶり。
財経新聞引用
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